【徹底考察】ジャパンC(G1) ディーマジェスティ「屈辱の菊花賞で『何』があったのか。最強世代証明へ皐月賞馬が背負う『重大な役割』とは」
その上で、蛯名騎手があえて「長い距離を走るには」と話したことには理由がある。あくまで統計的な話だが、競馬には基本的に短い距離を走る場合は馬体重が重い馬が、逆に長い距離を走る場合は馬体重が軽い馬が有利というセオリーが存在する。
これで実際に『JRA‐VAN』が2004年の1年間のレース結果で統計を取っており、顕著な結果が確認されている。10年以上前のデータだが、生物学的な統計だけにそう簡単に覆りはしないだろう。
したがって、菊花賞という長丁場に挑む上でディーマジェスティがキャリアハイの馬体重となってしまったことは、陣営にとっては単純な数字以上に大きな誤算だったといえる。そして、その引き金となったのが「初の関西遠征」だったということは、ほぼ間違いないだろう。つまりは、輸送による馬体減の割合を”計り”間違えたのだ。
また、菊花賞の序盤でハミを取らなかったことも、初遠征による微妙な環境の変化に戸惑った結果かもしれない。
以上から、ジャパンCではまず本馬の馬体重に注目したい。無論、遠征がない今回はリスクが低いが、少なくともこれ以上増えているようだと黄色信号だ。
サトノダイヤモンドとの力量差に関しては、現段階では棚上げで良い。まずは菊花賞で先着を許したレインボーラインとの逆転の方が、ここでは遥かに重要だ。菊花賞では敗れたとはいえ、ハナ+クビという0.1秒差。今後、再びサトノダイヤモンドに挑むためにも、ここでの逆転は必須課題といえる。