【徹底考察】ジャパンカップ(G1)サウンズオブアース「最強の重賞未勝利馬にタイトル奪取のチャンスは?」
『考察』
主な勝ち鞍「500万下特別」のサウンズオブアース(牡5、栗東・藤岡厩舎)が、国内最高賞金のジャパンCで3勝目を狙う。最後の勝ち星は約2年半前。14年4月19日のはなみずき賞(3歳500万下)までさかのぼる。その後は京都新聞杯(G2)から12戦連続で重賞に挑戦。G1の2着が2回、G2の2着が4回と、現役屈指の力を示してきた。あと1歩及ばない「善戦マン」の印象が強いが、重賞12戦の成績の内訳は「2着か着外」の2パターン。顕著な傾向が見えた。
◆2着 ※丸数字は上がり3F順位
14年5月10日 京都新聞杯 京都芝2200m 2.11.2 (35.3⑥)浜 中
14年9月28日 神戸新聞杯 阪神芝2400m 2.24.4(34.9②)藤岡佑
14年10月26日 菊花賞 京都芝3000m 3.01.1(34.4①)蛯 名
15年10月12日 京都大賞典 京都芝2400m 2.23.8(32.8③)浜 中
15年12月27日 有馬記念 中山芝2500m 2.33.0(34.7②)Mデムーロ
16年3月26日 日経賞 中山芝2500m 2.36.9(33.9②)福 永
好走は京都、阪神の芝2400mと中山芝2500mに集中している。使える脚は短いタイプ。あと一歩……という成績にも表れている。京都は3コーナーの下り坂からスピードに乗れて直線も平坦のため、中団より前につけたレースでは上がり勝負にも対応している。15年の有馬記念(G1)は勝ったゴールドアクターにクビ差まで迫り、キタサンブラックやマリアライトに先着。今年の日経賞(G2)もゴールドアクターとの一騎打ちに持ち込んだ。脚質的にも、最も得意とするのは中山だろう。
◆着外
14年6月1日 ダービー(11着) 東京芝2400m 2.25.8(35.3⑭)浜 中
15年3月28日 日経賞(4着) 中山芝2500m 2.30.5(34.0①)Mデムーロ
15年5月3日 天皇賞・春(9着) 京都芝3200m 3.15.4(35.5⑫)内田
15年11月29日 ジャパンC(5着) 東京芝2400m 2.25.0(34.4⑨)Mデムーロ
16年5月1日 天皇賞・春(15着) 京都芝3200m 3.18.5(37.8⑮)藤岡佑
16年10月10日 京都大賞典(4着) 京都芝2400m 2.25.7(33.1②)Mデムーロ
掲示板を外した凡走は東京2400mか、距離が長すぎる天皇賞・春の4レース。すべて自身の上がり3Fはメンバー中4位以下だった。14年のダービーは先行勢が上位を独占したが、サウンズオブアースは失速した。昨年のジャパンCは先行集団の後ろにつける理想的な展開。直線残り300m付近では突き抜けるかという手応えだったが、最後に足が止まった。ショウナンパンドラ、ラストインパクトの末脚に屈し、4コーナーで同じ位置にいたラブリーデイにも先着を許した。ジャングルクルーズにも差され、上がり3F34秒4はメンバー中9位だった。15年日経賞(G2)と今年の京都大賞典(G2)は、ともに後方に控えて追い込んだが4着止まり。得意条件での「取りこぼし」と言える。