【徹底考察】チャンピオンズC(G1) ノンコノユメ「ダート界の未来を背負う『大器』は本来の姿を取り戻せるか。去勢がレースに与える『真の影響』とは」
『考察』
ユニコーンS(G3)やジャパンダートダービー(G1)などで同世代を圧倒し、古馬初対決となった武蔵野S(G3)も豪快に差し切って4連勝。飛ぶ鳥を落とす勢いで挑んだ昨年のチャンピオンズC(G1)でも3歳馬ながら2着と、昨年のノンコノユメはまさに未来のダート界を一身に背負った期待の星そのものだった。
しかし、さらなる飛躍、いや、ダート界の新王者として期待された今年は未だ勝利なし。フェブラリーS(G1)や帝王賞(G1)でも2着し、随所に実力の片鱗は見せているものの、今年のチャンピオンズCの主役は、遅れてきた大器アウォーディーに譲ってしまっている。
特にここ3戦、かしわ記念(G1)、帝王賞、JBCクラシックの内容はいただけない。
着順こそ4着、2着、4着と格好をつけているようにも見えるが、勝ち馬との差は1秒、0.7秒、0.5秒と到底逆転を意識できる着差ではない。完膚なきまでの完敗を喫している。その勝ち馬となるアウォーディーとコパノリッキーは、ここにも参戦。順当に行けば、とても強気には推せない。
一体、ノンコノユメはどうしてしまったのか。
ノンコノユメが”停滞”している最も大きな原因は、どうやら気性面にあるようだ。ただ、気性面とはいっても、レースでうるさいところを見せているわけではない。いつ、どんな展開、距離でもキレのある末脚を発揮できるのがこの馬の強みであり、そこは大きく変わっていない。
管理する加藤征弘調教師が1日に行なわれた共同会見で語っていたところによると、ノンコノユメはどうやらレース前の装鞍所で大きく暴れる気質があるようだ。これは3歳のジャパンダートダービーの時にはすでに兆候を見せており、レースを重ねるごとにどんどん酷くなっていったらしい。
単純に人に飛び掛かろうとするなど危険という面もあるが、それだけ暴れるとレース前に体力を消耗するのは当然だ。そして、それが近走の「一歩足りない不振」につながっている可能性は大いにあるはずだ。