【徹底考察スペシャル】香港マイル(G1) ネオリアリズム「再びR.ムーア確保でG1初制覇の舞台は整った!常識を覆した前走からのあまりに大きな『上積み』とは」


 だが、レースは結局、到達順位の通りに確定。多くの関係者が「以前のルールであれば、ミッキーアイルは確実に降着」と述べたが、現行のルールでは降着と判断されなかった。後味の悪いレースに多くの議論を呼んだが、ここでは割愛させていただく。

 ただ、いえることはネオリアリズムの内容は勝ちに等しいほどハイレベルなものだったということだ。

【血統診断】

 本馬の母トキオリアリティーは、芝ダート兼用のスプリンターだった。すでに安田記念と豪州のジョージライダーSという2つのマイルG1を勝ったリアルインパクトや、オーシャンSを勝ちNHKマイルCやスプリンターズSでも3着したアイルラヴァゲインなどの活躍馬を送り出している名牝だ。

 最大の特徴は、ほぼ日本に馴染みのない血統で構成されていること。プリンスローズ系のMeadowlakeを父に持っており、これまでの産駒を遡ってもメジロライアン、ダンスインザダーク、エルコンドルパサー、フジキセキ、ジャングルポケット、キングカメハメハ、ディープインパクト、そして本馬のネオユニヴァースなど交配種牡馬はほぼ相手を選ばないようだ。ただ、Meadowlakeの父Hold Your Peaceはフレンチデピュティの母父として知られており、芝ダート兼用ということも共通点となっている。

 その上で本馬のマイル適性に関してだが、リアルインパクトやアイルラヴァゲインらがマイル実績を持っているから大丈夫と考えるのは、やや安易だ。

 その他の兄弟もおおむねマイル以下で活躍し、母がスピード型なのは確かだが、ステイゴールド産駒となる弟のレアリスタは7戦4勝ながら中距離で活躍。スピードよりもスタミナに優れた種牡馬との配合では、それなりに距離をこなすのだろう。だが、逆に述べれば、それだけ短い距離への適性は薄れるということだ。

 その上で本馬の父ネオユニヴァースはステイゴールドほどスタミナに寄っていないが、ディープインパクトほどスピードがあるわけでもない。代表産駒はヴィクトワールピサにロジユニヴァース。トニービンとの配合でステイヤーのデスペラードも輩出しているが、中距離種牡馬と考えるのが妥当だろう。

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 23:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS