【徹底考察スペシャル】香港マイル(G1) ネオリアリズム「再びR.ムーア確保でG1初制覇の舞台は整った!常識を覆した前走からのあまりに大きな『上積み』とは」
したがって、スピード寄りの母との配合であればマイルは守備範囲。前回が初のマイル戦だったが、マイルG1のスピードを経験した上積みは大きい。また、父ネオユニヴァース産駒の洋芝適正が総じて高いことも、香港を戦う上で大きな武器となるはずだ。
≪結論≫
『考察』で述べた通り、ネオリアリズムのマイルCSにおける走りは予測を大きく超えるものだった。そこには所属する堀宣行厩舎の尽力や、鞍上のムーア騎手の実力、マイルG1馬のリアルインパクトを兄に持つ血統背景など、様々な要素が常識を覆させた実に見事なレース運びがあった。
その上で今回の香港マイルだが、本馬にとってはあらゆる面でプラスになる要素がある。
まず、単純にマイルのレースが2度目になること。無論、前走でもペースによる戸惑いはほぼ見せなかったが、それでもマイルCSの3着という経験値は大きいはずだ。引き続き、ムーア騎手を確保できたという点も大きく、おそらくそれが本馬の香港遠征の決め手にもなったのだろう。
そして、もう一つは舞台が洋芝のシャティンに移ることだ。
自身が札幌記念でモーリスを撃破したことも差すことながら、父がサンデーサイレンス系の中でもパワー型で知られるネオユニヴァースだけに、京都から時計の懸かるシャティンに移ることはプラスとなる公算が高い。
ちなみに、昨年の香港マイルの立ち上がりのラップは「24.58-23.22」で推移。香港は400mごとのタイムなので前半の800mで判断すると47.8秒。これはネオリアリズムが逃げ切った札幌記念(稍重)の800m通過と同タイムであり、前半が46.1秒だったマイルCSと比較しても1.7秒遅い。
無論、今年の流れはまだわからないが、仮にロゴタイプがハナを主張すれば前走のように行かせても競馬は出来るのが強みだ。時計が掛かる傾向は、おそらく前で競馬することになる本馬にとって、非常に大きな追い風となるはずだ。
地元の英雄エイブルフレンドに、前走差のない競馬だったサトノアラジン、安田記念を逃げ切ったロゴタイプと相手は骨太だが、本馬の上積みも非常に大きいだけにG1初制覇を海外で成し遂げてもおかしくはない。
(監修=永谷研(美浦担当))