「16冠ベビー」ソウルスターリングが楽勝で2歳女王に輝くも、藤沢和雄調教師が怪物の娘の「牡馬クラシック参戦」に消極的なワケとは
11日に阪神競馬場で開催された第68回阪神ジュベナイルF(G1)は1番人気のソウルスターリング(2歳牝、美浦・藤沢和雄厩舎)が人気に応える完勝劇を飾った。
内枠を活かした絶好位から馬なりのままあっさりと抜け出すと、鞍上のC.ルメール騎手が入れたムチは、完全に抜け出してから気を抜かないように入れた一発だけ。昨年のメジャーエンブレムを超えるような楽勝劇に、今やその評価はうなぎ上りだ。
もちろん、その背景にはソウルスターリングが「16冠ベビー」といわれる世界最高レベルの超血統馬という影響もある。
「強かったです。とてもうれしいです。お母さんにはフランスで乗っていましたし、お父さんはフランケルでチャンピオンホースです。今日はとても良かったです。ずっと自信がありました」
主戦のC.ルメール騎手がレース後にそう話した通り、父は怪物と称されたフランケル。現役時代14戦14勝でG1競走10勝。それも後続につけた着差の合計が76馬身という、まさに”異次元”の強さを誇った怪物だった。
そんな「21世紀最強馬」の一頭に数えられている歴史的名馬を父に持つ一方、母スタセリタも仏オークス(G1)の他に、ビヴァリーDS(G1)勝ちなど米国でも活躍。引退までに獲得したG1タイトルは6つに上る超が付くほどの名牝である。
そんな両親の組み合わせで、合計G1数「16冠」となったのがソウルスターリングというわけだ。これだけの超良血馬が、デビューから負けなしの3連勝で2歳女王の座を得たのだから、周囲の期待が膨らんで当然といえよう。
また今回の勝利はソウルスターリングにとってだけでなく、父フランケルにとっても極めて大きい。