【徹底考察】有馬記念(G1) シュヴァルグラン「悲願の初G1制覇へ向けて『何』を変えるべきか。王者キタサンブラックに『勝つ』ために必要なこととは」
今春の阪神大賞典で重賞初制覇を飾り、天皇賞・春でも3着。宝塚記念はコンディションがやや下り坂だったということもあって9着に惨敗したが、休養を挟んだアルゼンチン共和国杯はトップハンデの58㎏を背負いながら快勝。これだけを見ても本馬がハーツクライ産駒らしいスタミナに寄った馬であることは間違いない。
母父にはマキャヴェリアン、母母父ヌレイエフとスピードを感じさせる種牡馬が配合されているため純粋なステイヤー配合ではないが、母母母父となるブラッシンググルームの存在を含め、近代競馬においては長距離戦で自信を持っていい配合である。
したがって、単純な距離という点で100mでも延びることは本馬にとってプラス。ただし、東京の2500mと中山の2500mでは問われる能力が異なる。具体的に述べると、小回りのコーナーで速度が落ちる分、ごまかしが利きやすい中山2500mの方がスタミナ的な要素は問われない。馬場コンディションによっては、100m短いジャパンCよりもスタミナが問われない場合さえある。
よって、本馬の武器であるスタミナを活かすためにも、積極的な競馬が活路を開きそうだ。逆に述べると積極的に攻めなければ、過去3戦3敗のキタサンブラックとの差を詰めることはできない。
≪結論≫
率直に述べて、何かを変えなければキタサンブラックを逆転することは極めて難しい。前走のジャパンCはもちろん、天皇賞・春や宝塚記念といった過去3戦の内容を含めても着順以上に両差の差は大きいといえる。
言い換えれば、キタサンブラックにとって過去3戦でシュヴァルグランを「脅威」と意識した瞬間は0.1秒もないだろう。着を拾いに行った(結果的にそう映る)天皇賞・春とジャパンC、後方から何もできずに終わった宝塚記念。脚質的な関係もあって、文字通り影すら踏ませていない。
では、その上でシュヴァルグランの何を変えるべきなのか。