JRAの「超高速馬場」演出で大阪杯(G1)は3強対決で盤石!? コントレイル、グランアレグリア、サリオスの「レコード伝説」
27日、阪神競馬場で行われた毎日杯(G3)は、2番人気のシャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)が優勝。2017年の皐月賞馬アルアインの全弟が、ド派手なレコードVを飾った。
驚異的なレコードだった。この日、シャフリヤールが記録した勝ち時計1:43.9は、毎日杯(G3)のレコードであると同時に、2014年にグランデッツァが記録した日本レコードタイという好時計。
もしJRAの日本レコードに3歳馬が名を連ねることになっていれば、2018年に世界レコードを記録したアーモンドアイのジャパンC(G1)以来。3歳春に名を連ねるのは、極めて異例だったと言えるだろう。
ただ、勝ち馬シャフリヤールの走りは称賛されて然るべきだが、一方で2着グレートマジシャンも同タイムで走破していることは見逃せない事実だ。2頭のパフォーマンスが世代トップクラスであることはもちろんだが、それ以上に着目すべきはスーパーレコードを演出した「阪神競馬場の芝コンディション」だろう。
「JRAの発表によるこの日のクッション値は10.2とやや硬めでしたが、ここまで凄いレコードが出たことには驚きました。1000m通過が57.6秒とペースが速かったことが大きな要因といえますが、この日の阪神の良好な芝コンディションも一因になったことは間違いないでしょうね。今の阪神はいわゆる超高速馬場と言っても過言ではないと思います」(競馬記者)
そうなると俄然注目が高まってくるのが、来週4月4日に阪神競馬場で開催される大阪杯(G1)だ。
昨年の安田記念(G1)でアーモンドアイを退け、現役最強と謳われるグランアレグリアに加え、史上3頭目となる無敗牡馬三冠を達成したコントレイル、さらにはコントレイル世代No.2と称されるサリオスという超ハイレベルな「3強」が集う今年の大阪杯。
「世紀の一戦」と称された昨年のジャパンC(G1)と同じく、現役最強馬決定戦と目される一戦だけに、現在の阪神競馬場の芝コンディションを踏まえれば「レコード決着」になる可能性は決して低くないと言えるだろう。
ただ、そんな超高速馬場は大阪杯の「3強」にとって歓迎材料に他ならない。
「3強」のレコードと言われて、多くのファンが最初に思い浮かべるのは、やはりコントレイルによる一昨年の東京スポーツ杯2歳S(G3)ではないだろうか。
5馬身差の圧勝で叩き出された1:44.5は、従来を1.4秒も上回るスーパーレコード。鞍上のR.ムーア騎手をして「正直、トップクラスの馬だと思う」と言わしめた一戦だ。この勝利によって、東京スポーツ杯2歳Sで2.5倍だった単勝オッズは、G1のホープフルSで2.0倍に。まさに「コントレイル」の名を全国の競馬ファンへ知らしめた伝説のレースと言えるだろう。
その一方、ライバルのサリオスも絶対的なスピードは折り紙付きだ。
コントレイルとの初対決となった昨年の皐月賞(G1)まで、世代No.1マイラーに君臨していたサリオスは2戦目のサウジアラビアRC(G3)と、朝日杯フューチュリティS(G1)をレコードで連勝。そのスピードも然ることながら、超高速馬場への適応力も非常に高い。