JRA 福永祐一「自分が動くしか……」コントレイルで苦い記憶を払拭!? 大阪杯(G1)二強対決に沸いた7年前「不可解騎乗」と物議を醸した大失策
4日、阪神競馬場で行われる大阪杯(G1)は、新旧三冠馬の激突で世紀の対決といわれた昨年のジャパンC(G1)を彷彿とさせる豪華メンバーが集まった。
無敗のクラシック三冠馬コントレイル(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)を筆頭に、昨年G1・3勝を挙げた最優秀短距離馬グランアレグリア、4歳牡馬NO.2の呼び声高いサリオス、デアリングタクトに匹敵する評価もあるレイパパレはデビューから5戦無敗でG1に挑戦する。
そんな超ハイレベルの争いにもかかわらず、他馬を一歩リードしているのがコントレイルとグランアレグリアの2頭だ。下馬評では四強というより、二強の対決と見る向きも多い。
17年からG1に昇格となった大阪杯は、G2時代にも多くの名勝負が繰り広げられてきたレース。今年と同じく二強対決として大いに注目を集めたのが、14年に実現したキズナとエピファネイアの激突だろう。
このときは前年の菊花賞(G1)を5馬身差で圧勝し、初G1制覇を遂げたエピファネイアと福永祐一騎手のコンビが単勝1.9倍の1番人気。オルフェーヴルがトレヴに敗れた凱旋門賞(G1)で4着に入った武豊騎手とキズナのコンビが単勝2.4倍の2番人気に支持され、少し離れた単勝6.4倍の3番人気がメイショウマンボだった。
現役トップクラスの2頭が出走することもあって、ライバル陣営が対決を避けたこともあったのだろう。出走頭数はわずか8頭で行われることとなった。
レースは好スタートを決めたトウカイパラダイスに対し、外から先手を主張したカレンミロティックがこれを交わしてハナに立つ。さらにビートブラックが2頭を追い掛けて3頭が先行争いをする格好となった。
エピファネイアは最後方に陣取ったキズナから1頭挟んだ6番手の後方から、ライバルを意識。4番手のショウナンマイティが前の馬を追い掛けなかったこともあり、800m過ぎには先行する3頭との間が10馬身近くも離れる展開で1000m通過は1分0秒5の平均ペースだった。
3コーナー辺りから後続が徐々に追い上げ始める。手応えの悪いメイショウマンボを置き去りにしてエピファネイアが動き出し、これを追うようにキズナも追撃を開始する。
しかし、最後の直線に入ってカレンミロティックを交わして先頭に立ったトウカイパラダイスとの差はまだ6馬身近く離れており、エピファネイアは福永騎手から懸命にムチを入れられるもなかなか差が縮まらない。
直線で伸びあぐねるライバルを涼しい顔で楽に交わし去ったのが武豊騎手のキズナだ。抜群の切れ味でライバルをパスすると、粘るトウカイパラダイスを差し切った。ゴール前では武豊騎手が流すほどの余力を残しており、2着のトウカイパラダイスには1馬身半の差をつける完勝。エピファネイアは1倍台の断然人気を背負いながら3着と苦杯をなめた。