JRA川田将雅10年前の「トラウマ」をダノンザキッドが解放!? 皐月賞(G1)で取り戻す「サイボーグ化」で奪われた満面の笑み

 また、これにはダノンザキッド(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)が、ホープフルS(G1)を勝ったことも大きく影響しているようで「迷惑ばかり掛けてきた師匠と安田隆行厩舎に、やっと騎手としてG1のタイトルを届けることができました。あまりいい表現ではありませんが、キッドに積年の心の重しを取ってもらい、いろんな意味で本当にやっと解放された気分です」と話す。

 安田隆厩舎の管理馬では昨年末のダノンザキッドに続き、今年はダノンスマッシュでも高松宮記念を制した川田騎手。しかし、同厩舎の管理馬でG1初騎乗となった約10年前のダッシャーゴーゴーには苦い思い出がある。

 スプリンターズS(G1)では2位入線も直線で内に斜行してサンカルロの進路を妨害したため4着降着、続く高松宮記念でも4位入線したが、3コーナーで内側に斜行してジョーカプチーノの進路を妨害したことで11着へと降着となった。GIの出走機会及び同一騎手での2回連続での降着は初という不名誉な記録もついてきた。

 ホープフルSの勝利騎手インタビューで「師匠とともにやっとG1タイトル獲ることができてうれしく思います」と涙を流しながら語ったのは、ダッシャーゴーゴーの思いもあったからだろう。

 今週18日、中山競馬場で行われる皐月賞(G1)では、再びダノンザキッドとG1に挑む。今度は涙ではなく、満面の笑みが見られることに期待したい。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

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