JRAエフフォーリア皐月賞(G1)勝てばディープインパクト、アグネスタキオン級!? 過去10年で18頭、後の名馬すらぶつかった壁

エフフォーリア JBISサーチより

 18日、中山競馬場では牡馬クラシック第1弾の皐月賞(G1)が行われる。

 前評判が高いのは、3戦3勝のエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)と昨年のホープフルS(G1)を制したダノンザキッドの2頭。13日現在、『netkeiba.com』の予想オッズでは、エフフォーリアが僅差の1番人気に支持されている。

 過去10年の皐月賞における1番人気馬の成績は「3‐2-1-4」とまずまず。過去2年はサートゥルナーリアとコントレイルが制し、2連勝中である。この2頭に共通していたのは、ホープフルS1着からの直行だったこと。つまり、皐月賞と同じ中山2000mをすでにクリアしていたということになる。

 そういう点で、初めて中山を走るエフフォーリアに対する不安の声は決して少なくない。

「圧巻のパフォーマンスを見せた前走の共同通信杯(G3)、そして2走前はいずれも広い東京コースでの勝利でした。また、昨年8月のデビュー戦では、小回り札幌2000mでコーナー4回のコースを勝っていますが、3戦すべてに共通するのが好位の外目を走り、ほとんど揉まれない理想的な競馬だったことです。ジョッキーの好騎乗ともいえますが、厳しいレースは未経験に等しいということになりますね」(競馬誌ライター)

 デビューから手綱を取るのは横山武史騎手だ。これまでと同様に皐月賞でも“横綱相撲”を取ることができれば理想だが、よりマークされる立場の今回はそう簡単にはいかないだろう。枠によっては、これまで経験したことのない揉まれる厳しい競馬になり、馬群に沈むシーンがあってもおかしくない。

 さらに初コース以上に不安なのが、これまで少頭数のレースでしか走っていないことだ。エフフォーリアが出走した3戦は、デビュー戦から順に7頭、8頭、12頭立て。最も多かったのが前走の共同通信杯だった。

 仮に13頭立て以上を「多頭数」と定義すると、2011年以降、合計18頭が「多頭数競馬」未経験で皐月賞に出走していた。その中には、皐月賞で1~3番人気に支持された馬が6頭もいたが、最高着順はマカヒキとリアルスティールの2着。それ以外は軒並み人気以下の着順に沈んでいる。

【13頭以上のレース未経験で皐月賞に出走(過去10年の3番人気以上の馬)】
・ワグネリアン(1番人気、7着)
・スワーヴリチャード(2番人気、6着)
・リアルスティール(2番人気、2着)
・キタノコマンドール(3番人気、5着)
・トーセンスターダム(3番人気、11着)
・マカヒキ(3番人気、2着)

 ここでは、上位人気に支持された6頭だけを挙げたが、他の12頭も初めての「多頭数競馬」でパフォーマンスをフルに発揮できなかった可能性が高い。

 ちなみに2000年以降、3頭が「多頭数競馬」未経験で皐月賞を制している。2001年のアグネスタキオン、05年ディープインパクト、そして07年ヴィクトリー。このうち7番人気だったヴィクトリーはノーマークの逃げ馬で、展開に助けられた面が大きかった。つまり、ディープインパクトかアグネスタキオン級の能力の持ち主でないと皐月賞制覇は厳しいということになる。

 逆にエフフォーリアがあっさり1冠目を手中に収めるようなことがあれば、2冠、3冠が一気に現実味を帯びそうだ。

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