JRA 武豊は信頼度抜群!? 一球入魂ならぬ「一鞍入魂」の信頼度は本当か。川田将雅、横山典弘などトップジョッキーにみる「1日1鞍」限定の“勝負駆け”を探る!
リーディング上位騎手のなかで“一鞍入魂”騎乗が目立つのは、やはり武豊騎手だ。近5年の「1日1鞍」は、わずか2回。2017年12月24日と28日の2日間で、ともに舞台は中山競馬場だった。
24日の有馬記念(G1)では、圧倒的人気を集めたキタサンブラックで堂々の1着。28日はホープフルS(G1)で、4番人気ながらジャンダルムを2着に持ってきた。武豊騎手らしいといえばそれまでだが、渾身の“一鞍入魂”で、見事に好結果を残している。
ちなみにC.ルメール騎手は近5年で「1日1鞍」は一度もなし。冒頭の福永騎手も、近5年でわずか2回。2020年4月18日の利根川特別では6番人気トレンドラインで5着。2019年10月21日東京の未勝利戦では、1番人気ハーレムシャドウで4着と、発生回数も成績も微妙な結果が残っている。
野球でいうところの一球入魂ならぬ“一鞍入魂”。
残念ながら「期待しているような成績ではなかった」と言わざるを得ない。もしかすると競馬ファンの “一鞍入魂”騎乗のドラマを見たいという願望が、過剰な期待を生んでいるだけかもしれない。
いわゆる“全集中”でレースに挑む騎手たちの思惑はいかに……。それを考えるのが競馬予想の楽しさでもあり、難しさでもある。これからも“一鞍入魂”騎乗は、競馬ファンを悩ませるファクターとなることは間違いないだろう。
文=鈴木TKO
<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界へと電撃参戦。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか、徹底的に追求していきます。