【徹底考察】皐月賞(G1)マカヒキ&リオンディーズ&エアスピネル 「今年の弥生賞のレベルを示す『とてもわかりやすいデータ』とは」
「考察」
今年、弥生賞(G2)が現行の中山2000mで開催されるようになってから、初めて2分を切る決着を記録した。
皐月賞(G1)へつながる王道トライアルだからこそ、歴代の勝ち馬にはヴィクトワールピサ、アドマイヤムーン、ディープインパクト、アグネスタキオン、スペシャルウィークなど、その時代を彩った名馬がずらりと並んでいる。
そんな数多の英雄たちが越えられなかった2分という「壁」を越えただから、やはり今年の3歳牡馬は史上最強……といえれば競馬は簡単なのだが。
まず、はっきり言って弥生賞の走破タイムはあまり参考にしない方がいい。
先述した歴代の勝ち馬はいずれも史上最高クラス、その気になれば2000mで2分を切ることなど容易い。何故なら、その約1カ月後に同舞台で行われる皐月賞では、簡単に2分を切る時計が記録されているからだ。
ちなみに昨年のドゥラメンテは、1:58.2という好時計で皐月賞を制している。
そういった点で弥生賞は、やはり「皐月賞の前哨戦」であり、本番を見据える有力馬たちはトライアル仕様の競馬しかしない。さらに今年も12頭立てであったように毎年小頭数でレースが行われる分、ペースも緩くなりがちだ。
つまり、小頭数で緩い流れになりがちな弥生賞と、18頭のフルゲートで厳しい流れになる傾向が強い皐月賞とでは「完全に異なる流れのレース」になる場合が圧倒的に多いのだ。
では、弥生賞と皐月賞が同じ競馬場で同じ距離で行われながら、どれほど「異なるレース」なのか……。
それは弥生賞と皐月賞を連勝した馬がシンボリルドルフ、サクラスターオー、アグネスタキオン、ディープインパクト、ヴィクトワールピサの5頭しかいないと述べればわかりやすいかもしれない。
つまり、同距離同舞台ながら大きく性質の異なるレースを連続で勝ち切るには、上記に並んだ名馬たちのような「史上最強クラスのポテンシャル」を必要とするということだ。
ならば、弥生賞で優れた競馬をしたマカヒキ、リオンディーズ、エアスピネルの3頭は本番では通用しないのか。
それを占う意味で、まずは下記をご覧いただきたい。これは左から過去5年の弥生賞の「走破タイム」と「前半と後半3ハロン」「前半後半3ハロンのタイム差」「勝ち馬と2着馬の皐月賞での着順」を記載したものだ。
2016年 1:59.9 34.3-35.1 +0.8 マカヒキ(?) リオンディーズ(?)
2015年 2:01.8 36.2-36.4 +0.2 サトノクラウン(6) ブライトエンブレム(4)
2014年 2:01.4 35.6-36.4 +0.8 トゥザワールド(2) ワンアンドオンリー(4)
2013年 2:01.0 36.5-35.2 -1.3 カミノタサハラ(4) ミヤジタイガ(16)
2012年 2:03.9 36.2-35.4 -0.8 コスモオオゾラ(4) トリップ(12)