きさらぎ賞(G3)「サトノアーサー・フィーバー」は「伝説」が築いた過大評価?2代目「サトノ」の看板を背負う若武者の「現在地」
共同通信杯が稍重だったことやスマートオーディンが前に壁を作れず、前目からの競馬になってしまったという敗因はある。だが、東京スポーツ杯2歳Sでは1000m通過が62.4秒だったことに対して、共同通信杯では60秒ジャストとペースが大きく速かった事実も無視できない点だ。
スマートオーディンはあくまで例えだが、自慢の豪脚がレースの流れに封殺されてしまう可能性があることは頭に入れておきたい。
また、同じくきさらぎ賞を迎えた時点で2戦2勝だったサトノダイヤモンドだが、その負かした相手が新馬戦では今週の東京新聞杯(G3)に出走するロイカバード、500万下ではチューリップ賞(G3)で4着したクィーンズベストや若葉S(OP)で2着するナムラシングン、スプリングS(G2)2着のマイネルハニーなど、素質馬が揃っていた。
無論、サトノアーサーが負かした相手の素質はまだはっきりとわかったわけではないが、少なくとも今後の見通しが明るそうなのは、シクラメン賞でサトノアーサーに次ぐ上がり33.0秒の脚で3着に突っ込んだアンセムか。
ちなみにサトノアーサーが3馬身半差の2着に負かしたシゲルボブキャットは、その後に500万下に2度出走して、いずれも大敗している。唯一、6着のサンライズソアが500万下を勝ち上がっているがダートである。また、スズカフロンティア以外を5馬身ちぎったデビュー戦で負かした相手で、その後未勝利を勝ち上がったのはわずか2頭である。
こういった状況を踏まえると、サトノアーサーの”現実”は率直述べて「過大評価」されているといえるだろう。無論、クラシックの有力な候補には違いないが、少なくとも現状でサトノダイヤモンドと比較するのは、やや酷といえるのかもしれない。
しかし、それでもサトノアーサーに大きな期待を抱いてしまう逸話がある。