最強3歳馬エピカリスに「フェブラリーS(G1)に出走してほしい」の声……今週出走の「10年に一頭」といわれる大器が世界の頂点を目指す「G1級」の一戦
一体どこまで強いのか、最後の直線はまさに別次元の独走劇だった。最終的に後続に付けた差は2.4秒という大差。この世代のダート路線は、まずはこの馬を中心に展開することが決定づけられたような勝利だった。
そんな衝撃のレースから3カ月、ダートの怪物が今週19日のヒヤシンスS(OP)に出走する。
すでにUAEダービー(G2)や米ケンタッキーダービー(G1)にも登録を済ませているエピカリスは、今回が「世界の頂点」に向けて飛翔の一戦となる。しかし、そんな怪物に聞こえてくるのは、同日のメインレース「フェブラリーS(G1)に出走してほしい」との声だ。
「エピカリスが出走するヒヤシンスSと、この日のメインレースのフェブラリーSは同じ東京のダート1600mで行なわれます。もちろんヒヤシンスSは3歳限定、フェブラリーSは古馬限定でエピカリスが出走することは叶いませんが、今年のフェブラリーSの低調なメンバーを考えれば、そう言いたくなる気持ちも理解できますね」(競馬記者)
ただ、実は今年のヒヤシンスSは、アウォーディーやアポロケンタッキーといったトップホースが不在のフェブラリーSよりも、ある意味「豪華なメンバー」といわれている。
無論、レースの中心はエピカリスだが、ダートで連勝中のアディラート(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は侮れない存在だ。
デビュー3戦は芝のレースで敗戦を繰り返したものの、ダートに矛先を替えて一変。昨年の12月の未勝利戦で後続に2秒の大差をつけてレコード勝ちすると、続く前走のはこべら賞(500万下)も一発のムチも入ることがない、ほぼ馬なりのまま3馬身差の完勝。
それ以上のインパクトを残しているエピカリスがいなければ、間違いなく世代を代表する実力者だ。
また、抽選対象ながら1戦1勝のフォギーナイト(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)も出走が叶えば逆転まである大器といわれている。
デビュー戦で見せた底知れぬパフォーマンスも然ることながら、叔父に米ベルモントS(G1)を制したルーラーオンアイスがおり、父が昨年の米三冠で旋風を巻き起こしたラニと同じタピット。今回だけでなく、すでに登録を済ませているドバイやアメリカでも期待が高まる逸材だ。