JRAは何故、G1開催週に「特殊な馬場」を作るのか? 中山の皐月賞(G1)敗因が「前走・中山でレースをしたこと」という皮肉な結果に……
その結果、アルアインとペルシアンナイトという前走で「阪神」の重賞を快勝してきた馬がワンツーゴール。3着ダンビュライトこそ意地を見せたが、4着のクリンチャー、5着のレイデオロ、いずれも「今開催の中山を使っていない馬」が掲示板を占めた。
しかし、それも仕方がないのかもしれない。今開催の中山は「皐月賞週」と「それ以外」に分別できるほど、大きく異なった馬場状態で競馬が行われており、弥生賞やスプリングSで上位を賑わせた馬たちは、いわば「それ以外」の中山で結果を残してきた馬である。
6着スワーヴリチャードも今開催の中山を使っていないが、そこに続いたのが7着ファンディーナ、8着ウインブライト、9着カデナといずれも「今開催の中山重賞を勝利した馬」であることが、なんとも対照的な結果となってしまった。
ちなみに先述した通り、今年の皐月賞は2015年の最優秀古馬ラブリーデイが、やはり2015年の中山金杯で記録したコースレコードと同タイムの「皐月賞レコード」だった。
実はこの日に行われた「芝の特別戦(固有の名前がついたレース)」鹿野山特別(2000m)、春雷S(1200m)、春興S(1600m)は、いずれも現行のレースレコードを更新している。これだけを見ても、この日の中山がいかに特殊な高速馬場だったのかがわかる。
つまり皐月賞を含め、この日に行われた芝の特別戦は「すべてレコードを更新した」ということだ。
これもJRAの馬場造園課の技術の賜物といったところだろうか。しかし、以前同じようなことがあった昨年の高松宮記念の際は、メディアだけでなくファンも巻き込んで大きな波紋を呼んだことを覚えている人も多いだろう。