武豊キタサンブラックか!? ルメールサトノダイヤモンドか!? それとも……天皇賞・春(G1)の注目馬おさらい
ついに、この時がやってきた。そう述べるのが最も相応しいのかもしれない。
30日に行われる第155回天皇賞・春(G1)は、昨年の年度代表馬キタサンブラックと、最強世代といわれた4歳馬の大将格サトノダイヤモンドとの「世紀の対決」という様相を呈している。
天皇賞・春における、これほどの確固たる一騎打ちはどれだけぶりだろうか。キタサンブラックと主戦・武豊騎手に連覇が懸かっているという意味では、メジロマックイーンで迎え撃ったトウカイテイオーとの第105回天皇賞・春(1992年)に状況が似ているといえなくもない。
あの時は単勝1.5倍で1番人気だったトウカイテイオーが、まさかの5着敗退。武豊騎手とメジロマックイーンが圧倒的な走りで連覇を飾ったが、果たして今回は。
前走の大阪杯(G1)でさらなる進化の跡を示したキタサンブラック(牡5歳、栗東・清水久詞厩舎)は、今まさに全盛期を迎えている。
昨年は天皇賞・春とジャパンC(G1)を制し、年度代表馬に輝いたキタサンブラック。年明け初戦は昨年敗れた大阪杯からとなったが、不安された2000mを払拭しただけでなく、昨年からさらに進化した姿を見せつけての圧勝劇だった。
今年も抜群のスタートセンスから、あっさりと好位につける安定感は健在。大阪杯では最後の直線で2番手から抜け出す横綱相撲を見せると、そのまま後続を振り切ってゴール。着差こそ2着ステファノスと3/4馬身差だったが、そこにはどこまでいっても抜かれないような王者のオーラのようなものが感じられた。
栗東のウッドコースで行われた1週前追い切りでは6ハロンを82.8秒、ラスト11.8秒を馬なりでマーク。併せ馬にしっかりと先着を果たしており、順調さをアピールした。見守った清水調教師も「しゃべることがない」と状態面に太鼓判。万全の態勢で連覇を狙う。
25年前の対決ではトウカイテイオーがまさかの5着に敗れたが、その”テイオー役”のサトノダイヤモンド(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)からすれば「あの時とは違う」と言いたくもなるか。