川田将雅「悲願」達成の影で政権交代に待った!? C.ルメールを破った男が復活の狼煙

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 28日の阪神12R・ファイナルS(3勝クラス)をもって、2022年の全レースが終了した中央競馬。今年も多くのドラマが生まれる激動の1年となった。

 なかでも、19年目の川田将雅騎手がキャリア初の全国リーディングを獲得したことは、そんなドラマの1つとして挙がるだろう。

 今年は5年連続でリーディングを獲得しているC.ルメール騎手が不調とあって、ここ3年でいずれも2位に終わった川田騎手が上半期終了時点から1位をキープ。秋以降は外国人ジョッキーがこぞって来日したこともあり、中々勝ち星を伸ばせない時期もあったが、最後まで無事にトップを守り抜いた。

 G1・3勝を含む重賞8勝と大舞台での活躍も目立ち、獲得賞金でもジョッキーの中でトップを記録。さらに最高勝率も加わる騎手界の「三冠」達成とあって、その喜びもひとしおだったに違いない。

戸崎圭太騎手 撮影:Ruriko.I

 だが、来年以降も「川田政権」が続くかといえば、そうとも言い切れない。というのも、近年は不調傾向にあった戸崎圭太騎手が、今年は2019年以来3年ぶりに、関東リーディングへ返り咲いたからだ。

川田将雅騎手「悲願」達成の影で政権交代に待った!?

「戸崎騎手の復活の鍵となったのは、夏以降のG1や重賞の裏開催で、勝利を量産できたことでしょうね。春G1は7度騎乗したにもかかわらず、秋G1の騎乗は3度のみ。また夏場は徹底して新潟を主戦場に置き、重賞には見向きもしないで勝利を積み重ねました。

G1に拘らず裏開催での立ち回りを主軸に、勝ち星を稼いだ戸崎騎手ですが、その戦略により勝利数が戻ったわけですから、称賛されて然るべきだと思います。来年もこの調子が続くようなら、川田騎手にとっても脅威となる可能性が十分考えられます」(競馬誌ライター)

 2013年にJRAへ移籍して以降、翌年から3年連続で全国リーディングを獲得した戸崎騎手。2016年には今やリーディング常連となったルメール騎手を、1勝差で抑え戴冠を掴んだ凄腕だ。

 しかし、その後はルメール騎手やM.デムーロ騎手の活躍、さらには横山武史騎手や岩田望来騎手など若手の台頭もあって、徐々に成績が低迷。2020年には、前年の落馬負傷による離脱期間があったとはいえ、キャリア最低の56勝に留まった。

 ただ、今年はそんな悪い流れを見事に断ち切ってみせた。

 重賞こそプレサージュリフトのクイーンC(G3)とキタウイングの新潟2歳S(G3)の2勝だけだったものの、1日3勝以上の固め打ちを16回も記録。これはリーディングトップの川田騎手(14回)を上回っており、中には1日6勝という離れ業をみせた日もあった。

 横山武騎手を抑えて関東トップに返り咲いただけでなく、全国リーディングでも川田騎手に7勝差と迫る2位とあって、以前のような勢いを取り戻した印象がある。

 見事な政権交代を果たした川田騎手だが、復活の狼煙を上げた戸崎騎手が来年は待ったをかけるかもしれない。

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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