エフフォーリア「引退」で悲しみに暮れる横山武史…混戦模様のフェブラリーS(G1)は「隠れサウスポー」と憂さ晴らし!?
「道中もいい感じで運んでいましたが、急に失速しました。どうしようもなかったですね…」
先週の京都記念(G2)では、まさかの「競走中止」に終わったエフフォーリア。思いもよらぬアクシデントに、陣営もただただ肩を落とすしかなかった。
幸い検査の結果は心房細動だったため、復帰までそう時間はかからないと思われたが、2日後には所有するキャロットクラブがエフフォーリアの引退を発表。主戦の横山武史騎手にとっても、思い入れが深い相棒とのラストレースが残念な形となり、やり切れない思いがあったかもしれない。
とはいえ、競馬においてはこういったアクシデントはつきもの。騎手は再び訪れる週末のレースに向けて、前を向くしかない。ましてや、今週末は今年最初のG1・フェブラリーSが控えている。横山武騎手としても、競馬の鬱憤は競馬で晴らしたいところだろう。
そんな横山武騎手は、フェブラリーSでショウナンナデシコ(牝6、栗東・須貝尚介厩舎)に騎乗予定。14日現在、『netkeiba.com』の予想オッズでは9番人気想定となっている。あくまで人気薄の1頭にすぎないが、ある特徴を考慮すれば警戒が必要かもしれない。
横山武史騎手「隠れサウスポー」と憂さ晴らし!?
それは、ショウナンナデシコが「隠れサウスポー」である点だ。
過去の全9勝は、右回り4勝、左回り5勝のショウナンナデシコ。フェブラリーSと同舞台の東京マイルでは、3歳時に2度走って4着→6着といずれも敗れている。これらの結果だけをみれば、サウスポーとは言いづらい成績だ。
だが、連勝でカノープスS(OP)を勝つなど本格化し始めた2年前からは、4勝すべてが左回りと抜群の好相性。昨年のかしわ記念(G1)でも、フェブラリーSで4着のソリストサンダーや2着のテイエムサウスダンらを退け、G1初制覇を決めている。今回は伏兵扱いとなりそうなショウナンナデシコだが、近走におけるサウスポーとしての実績は申し分ない。
「前走の東京大賞典(G1)は差し馬たちが上位を独占するレースでしたから、逃げたショウナンナデシコにとっては厳しい流れだったかもしれません。向正面から3コーナー付近で、捲り気味に上がってきたサンライズホープやリンゾウチャネルに、ペースを乱されたのも誤算でした。
それでも、道中でショウナンナデシコのすぐ後ろにいたカジノフォンテンが10着、アトミックフォースが最下位だったことを考えると、逃げて6着は悪い内容ではなかったと思います。今回は近走で結果を出している左回りに替わりますし、後ろで人気馬たちが牽制する流れになれば、逃げ粘りも十分期待できそうです」(競馬誌ライター)
2連覇中のカフェファラオや昨年のチャンピオンズC(G1)を勝ったジュンライトボルトなど、主役級のG1ホースが不在なだけに混戦が予想される今年のフェブラリーS。波乱の可能性もあるだけに、横山武騎手とショウナンナデシコの伏兵コンビにも注目したい。