ダイヤモンドS「超人気薄」トラストケンシンに年に一度の激走フラグ!?

 昨年2022年は2番人気が勝利し、2021年は1番人気が2着、2番人気が3着、2020年も3番人気が2着で2番人気が3着――。

 今年で第73回を迎える「JRAの東京マラソン」ことダイヤモンドS(G3、芝3400m)の人気馬は、堅実に結果を残している。ハンデ戦だが、上位人気馬の信頼度は上々だ。

 しかし、その一方で2022年の三連単は31万7940円、2021年こそ2万8150円だったが、2020年に至っては355万5600円という史上稀に見る大荒れだった。つまり、上位人気馬の間隙を縫って、波乱の立役者である穴馬が激走したということだ。

 具体的には下記の通りである。

2020年
1着☆ミライヘノツバサ 16番人気
2着 メイショウテンゲン 3番人気
3着 オセアグレイト 2番人気

2021年
1着☆グロンディオーズ 7番人気
2着 オーソリティ 1番人気
3着 ポンデザール 2番人気

2022年
1着 テーオーロイヤル 2番人気
2着☆ランフォザローゼス 11番人気
3着 トーセンカンビーナ 5番人気

 近3年の結果から見えてくるダイヤモンドSの傾向は「上位人気馬は信頼できる」「毎年1頭は穴馬が突っ込んでくる」という2点だ。

 つまり、配当のカギを握っているのはミライヘノツバサ、グロンディオーズ、ランフォザローゼスに続く穴馬を如何に抜擢できるかに尽きるだろう。特に2020年1着のミライヘノツバサは単勝325.5倍という超大穴だった。下記にポイントを3つ挙げたが、常識にとらわれずに考えていきたい。

 

・過去に3000mで負けていても気にしない

 そもそも3000m超えのマラソンレースはサンプルが少なく、過去の実績が限られている。従って、予想する側の人間は貴重な3000m以上の過去実績を重要視しがちだ。

 その結果、仮に過去に1度3000mを走って惨敗している馬は、それだけで「この馬はスタミナがない」と決めつけられやすい。しかし、馬という物言わぬ生き物が走る競馬において、わずか1度だけのデータで断定するのが如何に危険な予想であるかは、賢明な競馬ファンなら誰もが知るところだ。

 実際に、グロンディオーズとミライヘノツバサは過去に1度だけ3000mのレースに出走して大敗した(菊花賞、共に13着)経歴があった。ここ3年の波乱は、それだけで「スタミナがない」と思い込んだ人々が招いた結果ともいえるだろう。

 競走馬は毎回ベストコンディションで出走してくるわけではない。スタートの失敗や不利などの敗戦もあって当然だ。逆に考えれば、過去に惨敗しているにもかかわらず、陣営が再度挑戦するということは「そこに見込みがあるから」に他ならない。

 

・凱旋門賞血統を意識する

 ダイヤモンドSでは、凱旋門賞(G1)に所縁のある血を持つ馬の活躍が目立っている。具体的には凱旋門賞馬、もしくは同レースで好走した馬の産駒などである。欧州の重い馬場をものともしない豊富なスタミナを誇った血が、3400mのマラソンレースで活きるのだ。

 実際にランフォザローゼスとグロンディオーズの祖母はエアグルーヴ。その父が凱旋門賞馬のトニービンである。また、ミライヘノツバサの祖父ステイゴールドは凱旋門賞で2年連続2着だったオルフェーヴルを輩出するなど、長距離で輝きを放った名種牡馬だ。

 

・「長距離は騎手」の格言は気にしない

 古くから競馬には「長距離は騎手」という格言があるが、ダイヤモンドSではあまり気にしない方が良さそうだ。実際にランフォザローゼスは田中勝春騎手(64位、以下17日現在)、グロンディオーズは三浦皇成騎手(27位)、ミライヘノツバサは木幡巧也騎手(44位)と決してリーディング上位騎手ばかりが馬券に絡んでいるわけではない。むしろ、この格言で不当に人気を落とすのなら狙いどころだ。

トラストケンシン 撮影:Ruriko.I

 以上3点を踏まえ、爆穴候補の1番手をトラストケンシン(牡8歳、美浦・高橋文雅厩舎)としたい。

 ここ4走すべて二ケタ着順に大敗の上に、長距離実績も皆無と、常識的にはとても手が出せない大穴馬。しかし、父ハーツクライはトニービンの影響を色濃く受けたステイヤー種牡馬であり、母の父エルコンドルパサーは凱旋門賞2着馬で菊花賞馬ソングオブウインドの父だ。3000m以上で大変身するだけの血統的な下地は揃っている。

 鞍上の丸田恭介騎手は今年わずか1勝でリーディング83位と大苦戦しているが、昨年の高松宮記念でG1初制覇を果たして世間をアッと言わせた。そして、何よりもレースが開催される2月18日は上杉謙信の誕生日。トラスト「ケンシン」が激走するなら、ここしかない。

 次点でタイセイモナーク(牡7歳、栗東・西村真幸厩舎)を挙げておきたい。

 最後に勝ったのが2019年12月という7歳馬だが、それ以降で馬券に絡んだ4回の2着は、すべて3000m以上のレース。一昨年には阪神大賞典(G2)で11着に大敗しているが、それだけで「重賞では通用しない」と決めつけるのは早計だ。阪神大賞典は別定戦のG2であり、ダイヤモンドSはハンデ戦のG3。最軽量の53キロは恵まれた感があり、一昨年の波乱の立役者である三浦騎手が鞍上なら買わない手はないだろう。


 無論、ここ3年の傾向通り、上位人気が濃厚なミクソロジー、シルブロン、アスクワイルドモア、ヴェローチェオロといった辺りは素直に信頼したい。そこにトラストケンシンやタイセイモナークといった穴馬を絡めて高配当を狙っていく。

 馬券は、ここ3年の穴馬が1着→1着→2着だったことを加味して三連単の一択だ。

GJ 編集部

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