ディープインパクトに次ぐリーディングサイヤーが評価急上昇!? パンサラッサのサウジカップ(G1)Vで改めて見直すべき価値
ついに日本馬初の快挙だ。
現地時間25日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジカップ(G1)は、日本から挑戦したパンサラッサ(牡6、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。これまで日本馬では、ゴールドドリームやマルシュロレーヌの6着が最高着順だったが、とうとうパンサラッサが競馬史に金字塔を打ち立てた。
レースは鞍上の吉田豊騎手が「スタートが決まったので、安心してパンサラッサの競馬をしよう」と振り返った通り、好スタートを決めたパンサラッサが果敢にハナを奪い世界の強豪を牽引。およそ2年2か月ぶりのダート戦だったものの、持ち前のスピードを武器に芝同様のマイペースに持ち込んだ。
最後の直線でも脚色は衰えず、後続をじわじわと突き放しにかかる。最後は米国馬カントリーグラマーに迫られたものの、3/4馬身差をつけて振り切り栄冠を掴み取った。
「世界最高の1着賞金(約13億6000万円)を誇るサウジカップですから、陣営にとってもその喜びは格別だったのではないでしょうか。鞍上の吉田豊騎手が『忘れられないレースになりました』と話せば、管理する矢作師も『こんなことが起こるなんて信じられない』とコメント。どちらも偉業達成に感無量といった様子でした。
次走について矢作師は『オーナーと相談』と話していましたが、来月のドバイワールドC(G1)を視野に入れているようです。2011年のヴィクトワールピサを最後に、10年以上も日本馬の勝利がない同レースですが、パンサラッサならやってくれるかもしれません」(競馬誌ライター)
また、この大金星で改めて評価が急上昇しそうなのは、パンサラッサの父ロードカナロアの種牡馬としての価値だ。
パンサラッサは昨年のドバイターフ(G1)に続き、今回のサウジカップで海外G1・2勝目。過去にも代表産駒のアーモンドアイがドバイターフを制し、ダノンスマッシュも香港スプリント(G1)を勝っているように、国内のみならず産駒の海外実績は光るものがある。
またロードカナロア自身も、当時「凱旋門賞級に難しいレース」と評された香港スプリントを連覇しているように、ここ一番の勝負強さには定評がある馬だった。産駒が海外でも好成績なのは、そういった優れた血統背景が関係しているのかもしれない。
「一時はアーモンドアイなどの活躍もあって、初年度500万円だった種付け料が2000万円まで高騰したロードカナロアですが、種付け料や種付け数も徐々に減少し、現在は1200万円まで下がっています。昨年のセレクトセールでも産駒に主取(買い手がつかない)が発生するなど、一時の人気ぶりに陰りがみられる印象です。
ただ、今回のパンサラッサの大金星で、種牡馬としての評価が改めて見直されることでしょう。現在はサートゥルナーリアやダノンスマッシュが後継種牡馬として注目を集めていますが、まだまだロードカナロアの時代が続くかもしれません」(同)
リーディングサイヤーでも、3年連続でディープインパクトに次ぐ2位に入っているロードカナロア。ディープインパクトのラストクロップが現3歳世代となるため、ロードカナロアが次世代トップの最有力候補であることは揺るがない。
パンサラッサの偉業達成で、改めて評価を高めそうなロードカナロア。その血は国内は勿論、海外G1においても旋風を巻き起こすかもしれない。