今村聖奈の馬券に優しくない一面も…競馬界のアイドルの買い時と消し時とは?
19日に行われた阪神大賞典(G2)は、C.ルメール騎手騎乗の2番人気ジャスティンパレス(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。神戸新聞杯(G2)以来となる重賞2勝目を飾った。
このレースには、JRA最少体重記録を持つメロディーレーン(牝7、栗東・森田直行厩舎)も出走したことで話題となった。今村聖奈騎手が騎乗することもあり、注目を集めた競馬界のアイドル同士のコンビとなったものの、結果は11着と振るわなかった。
今村騎手は、昨年にデビュー51勝(全国リーディング21位)をあげ、女性騎手として初めて最多勝利新人騎手賞を受賞、スーパールーキーとして競馬界の注目を集めた。また、その愛くるしい人柄から多方面のメディアで特集されるなど、人気実力ともに評価も高い。今年は既に14勝をあげ全国リーディング17位につけており、このまま順調に成績を伸ばしていけば、昨年以上の勝ち星が期待できそうだ。
デビューした昨年の3月5日から先日19日までの期間で通算65勝を記録しており、これは騎手全体の中で18番目に多い勝ち鞍だが、馬券を購入するファンからすると、気にせざるを得ない側面もある。
好成績を収めた一方で、その単勝回収率は51%という極めて低い数値。複勝回収率も59%で、どちらの数字もこの期間に50勝以上をあげた21名の騎手の中で最低なのだ。当然ながら今村騎手人気もあるため、騎乗馬の実力以上に馬券が売れているとも考えられる。
その原因の一つとして考えられるのが,今村騎手の少し消極的にも映る騎乗スタイルだろう。
競馬界のアイドルの買い時と消し時とは?
昨年、強気な逃げで初重賞制覇を飾ったテイエムスパーダのイメージからか、今村騎手には積極的なポジション取りで騎乗をするという印象が強いかもしれない。だが、デビューから今までに騎乗したレースでの今村騎手の位置取りを調べると、逃げ72回、先行156回、差し218回、追い込み300回(一部レース除く)となっている。
これを踏まえると、真ん中より後ろの位置を取る方が多く、積極的に前目につけるケースは少ないのが実際のイメージに近いかもしれない。当然ながら馬の能力的に前に行けない場合もあるが、全体を通して見れば後ろから競馬をするケースの多さが目に付く。
また、今村騎手がアドバイスを受けたという福永祐一騎手(現調教師)や川田将雅騎手は、その後の折り合いなどの懸念も含めて逃げるという選択肢には消極的なタイプ。そういった先輩騎手のスタイルも自身の騎乗に影響している可能性もあるか。
とはいえ、レースではスローペースで前に行った馬が、そのまま粘り込むことも多い。斤量の軽い女性騎手なら、ある程度前目につけておいた方が着順は上がりやすいだろう。いずれにしても差し追い込み馬に騎乗した際は、逃げ先行馬に比して割引が必要といえそうだ。
人気にかかわらず、逃げ先行馬なら買い、差し追い込みなら消し、くらいでちょうどいいのかもしれない。