兄はドバイで「1番人気」に推された大器! 2023年「新種牡馬」の妹が7馬身差圧勝デビュー
25日、阪神競馬場の1Rに行われた牝馬限定の3歳未勝利(ダート1200m)は、これがデビュー戦となった4番人気レディフォース(牝3歳、栗東・杉山佳明厩舎)が、直線で後続に7馬身差をつけて圧勝した。
フルゲート16頭のレース。レディフォースと鞍上の長岡禎仁騎手は大外16番枠からスタートすると、道中は前から3番手の位置取り。絶好の手応えで4コーナーを回って最後の直線に入る。
鞍上のゴーサインが出ると力強く脚を伸ばして、残り200m手前で先頭へ。抜け出してからも後続に差を詰められるどころか突き放す一方という、圧巻の勝ちっぷりだった。
「ごくシンプルにここでは力が違いましたね。昇級してからももちろんのこと、胴長の馬体やフットワークなどを見る限り、一度は芝を試してみるのも面白いかもしれません」(競馬誌ライター)
初出走ながら既走馬たちを相手に完勝劇を決めたレディフォースには、レース後のネット掲示板やSNSにも「ここではレベルが違いすぎたな」「相当上のクラスまで行きそう」など称賛の声が集まった。また、生産したレイクヴィラファームもTwitterに「こんなに素晴らしい走りを見せてくれて嬉しいです」と歓喜の投稿をしている。
兄はドバイで「1番人気」に推された大器!
なお、一昨年のセレクトセールにおいて1540万円(税込)で取引されたリアルインパクト産駒のレディフォースは、今からちょうど8年前の2015年に開催されたドバイのUAEダービー(G2)で3着に入ったゴールデンバローズの妹にあたる血統だ。
ゴールデンバローズは東京芝1600mの新馬戦こそ後に重賞を勝つダッシングブレイズの2着に敗れたが、続く東京ダート1600mの未勝利戦では2着馬に2秒6差をつける圧勝劇。そこから一気の3連勝でUAEダービーに挑戦し、当日は南アフリカ(当時)のムブタヒージと並んで1番人気に推されたほどの大器である。
しかし、レースではそのムブタヒージに8馬身以上の差をつけられて完敗すると、帰国初戦となったユニコーンS(G3)でも単勝1.5倍の期待に応えられず4着に敗戦。その後も輝きを取り戻せずに、条件クラスを2勝したのみで18年11月に中央登録を抹消されている。
その後は地方競馬へと移籍。19年8月のレースで2着を最後に現役生活を退いたが、3歳春までの圧巻のパフォーマンスや、父が北米トップサイヤーのタピットであることも買われてか、引退後には北海道新冠町にある優駿スタリオンステーションで種牡馬入りを果たした。
2020年には18頭の繁殖牝馬に種付けを行っており、早ければ今年にも初年度産駒がデビューする予定となっている。
「日本国内ではそこまで目立った実績を挙げられなかったものの、スタッドインを果たしたタピットの後継種牡馬といえば、初年度から重賞ウイナーのリメイクを輩出したラニがいますね。
ゴールデンバローズも産駒数はあまり多くありませんが、もしかしたら活躍馬が出るかもしれません」(同)
レディフォースに騎乗していた長岡騎手はレース後、「初めてでこの内容。まだこれから良くなっていくと思います」と将来性を評価。重賞タイトルには手が届かなかった兄ゴールデンバローズの分まで期待してみたい1頭だ。