大波乱の桜花賞(G1)は岩田康誠の独り勝ち…川田将雅「マークする馬を間違えた」、戸崎圭太「もう少し前で競馬をすれば」トップジョッキーが不覚を取った心理戦
昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で圧倒的な強さを見せた2歳女王リバティアイランドと川田将雅騎手。そして、歴代の勝ち馬にジェンティルドンナやアーモンドアイなどの名牝が名を連ねるシンザン記念(G3)を勝ったライトクオンタムと武豊騎手。
今年の桜花賞(G1)で、『最も勝利に近い2頭』と聞かれたらこの2頭をあげる競馬ファンは少なくないだろう。
しかし、本番でより警戒すべきは休み明けでクラシック開幕戦を迎える上記2頭よりも、前哨戦でしのぎを削ってきた伏兵陣だろう。何故なら昨年の桜花賞の1~3着馬は、すべて前哨戦やトライアルをしっかりと使ってきた馬たちだったからだ。
そんな中、今年の桜花賞のカギを握っているのが、2月のエルフィンS(L)である。
数々の重賞レースを差し置いて、あえてリステッド競走に着目したことには明確な理由がある。2着馬コナコーストがチューリップ賞(G2)でも2着、3着馬のシングザットソングがフィリーズレビュー(G2)を快勝。さらには4着馬のクイーンオブソウルもアネモネS(L)で3着と、上位陣がいずれも続くトライアルでも上位争いを繰り広げたからだ。
そして、そんな強豪に2馬身半という決定的な差をつけたのが、エルフィンSの勝ち馬ユリーシャだ。
ちなみにコナコーストのチューリップ賞が勝ち馬とハナ差。クイーンオブソウルのアネモネSが半馬身+クビ差。単純に着差だけを見ると、ユリーシャはどのトライアルレースに出走していても楽勝していたことになる。
だが、そんな強豪でさえ賞金面で除外が濃厚なほど、今年の桜花賞は群雄割拠の状況だ。さらに今年のエルフィンSを「ジョッキー心理が大きな影響を及ぼした結果」と分析するのは、競馬情報サイト『ワールド(WORLD競馬WEB)』である。
1997年にサニーブライアンとのコンビで皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)の二冠を達成し、一世を風靡した大西直宏元JRA騎手を筆頭に、数多くの元騎手・調教師らが在籍している『ワールド』。エルフィンSでは馬連3800円、三連複1万3230円などを的中しているが、元騎手ならではの視点で各ジョッキーの心理を深く把握できていなければ、三連単8万6510円まで完璧に的中させることはできなかっただろう。
今年のエルフィンSはハナに立ったユリーシャがそのまま逃げ切ったレースだが、この結果を「額面通り受け止めるのは危険」だという。なぜなら、本馬は前走の1勝クラスで5着に敗れた6番人気の伏兵だったからである。
簡単に言えば、ノーマークの逃げ馬がまんまと逃げ切るという競馬では珍しくない結果だが、そうなるには「それなりの理由があった」からに他ならない。『ワールド』の関係者に話を伺った。
「はっきり言うと、今年のエルフィンSのメンバーで最も有力だったのは2着のコナコーストでした。それは後のチューリップ賞のハナ差2着で、皆さんも納得していただけると思います。
本来であれば、好位から早めに(逃げた)ユリーシャを潰しに行ってもおかしくなかったのですが、エルフィンS当時は昨年8月のデビュー戦以来となる長期休み明け。慎重にならざるを得ず、レース後には鮫島克駿騎手も『勝ち馬を楽に行かせ過ぎた』『もう少し追いかけなければいけなかった』と悔やんでいました。
スピードで勝るコナコーストが控えたため、マルクパージュが2番手に押し出されましたが、こちらはデビュー戦から2戦連続でハナに立って敗れていた馬。3戦目に控える競馬をして勝ち上がっただけに、今回もじっくりと運びたかったはずです。スタート後に岩田康誠騎手がしきりに手綱を引いている姿が印象的でしたね。
この結果、今年のエルフィンSはユリーシャの単騎逃げが濃厚であり、各陣営の思惑やジョッキーの心理を統合すると『かなり楽に主導権を握れるのではないか』という結論に至りました。
実力的に抜けた馬ではなかった(6番人気の伏兵)ので、馬連と三連複を押さえましたが、三連単8万6510円まで的中したのはよかったです。弊社の会員様にも喜んでいただけました」(WORLD競馬WEB関係者)
近年は比較的平穏な決着が目立っている桜花賞だが、2015年には三連単23万3390円という大波乱となった。
このレースを逃げ切ったのは、レッツゴードンキ。4馬身差の圧勝である。これは過去10年でも最大の着差であり、デアリングタクトやアーモンドアイ、ジェンティルドンナといった後の三冠馬を上回っている。その後に名スプリンターとして名を馳せた名牝だったが、さすがにこの結果は出来過ぎだろう。
「懐かしいですね。あの桜花賞も様々なジョッキー心理が大きく影響を及ぼしたレースでした。
1番人気はルージュバックでしたが、あまりにも楽にレッツゴードンキが逃げ切ってしまったこともあって、レース後には戸崎圭太騎手も『もう少し前で競馬をすれば良かった』と嘆いていましたね。そんな本命をマークしていたアンドリエッテですが、川田騎手も『マークする馬を間違えた』と珍しく後悔していました。この時期の3歳馬は成長も著しいですし、力関係を正確に把握するのはトップジョッキーでも難しいと言われています。
一方、2番手を進んでいたノットフォーマルの黛弘人騎手は『このまま前残りのペースになれば』とひたすら祈っていたそうですよ。16番人気ながら5着に善戦と願ったり叶ったりでしたが、結果的にこの判断がレッツゴードンキの楽逃げに繋がったのは間違いないでしょう」(同関係者)
無論、今年の桜花賞が2015年のような前残りの展開になると断言しているわけではない。ただ、まだまだ成長途上のこの時期の3歳馬によるレースだけに「必ずしも力通りに決まるとは限らない」というわけだ。
「大本命になるリバティアイランドですが、この馬が7月にデビューした際、川田騎手はすぐに12月の香港国際競走の予定を白紙にしたそうです。ダノンスコーピオンやレイパパレといったG1を勝ったお手馬が出走予定でしたが、リバティアイランドと同日の阪神JFに参戦するためです。それだけこの馬を高く評価しており、将来的に描いている図は、おそらく(桜花賞を制して、凱旋門賞にも出走した)ハープスター以上のものでしょう。
桜花賞はあくまで通過点の一つに過ぎないでしょうし、先々を見据えて勝ち負けに固執しているようにも見えません。逆に言えば、何らかのアクシデントと苦しくなったら無理をしない決断もあり得るということです。
また、ライトクオンタムは雄大なフットワークが特徴の馬で、如何にも距離が延びて良さそうな血統からも、桜花賞よりもオークス(G1)向きかもしれません。シンザン記念では外に持ち出されてからの伸び脚が秀逸でしたし、武豊騎手は桜花賞でもああいった外から脚を伸ばす競馬をしたいでしょうね。
ただ、シンザン記念は7頭立てだったので比較的スムーズなレースが出来ましたが、今回同じように行くとは限りません。仮に内目の枠に入れば外に持ち出すだけで苦労するでしょうし、後手後手に回れば、どんどん苦しいポジションになってもおかしくありません」(同関係者)
なお、『ワールド』では今週末の桜花賞に向け、ダービージョッキー大西氏が騎手目線で選んだ「本気で馬券勝負してみたい3頭」を無料で公開するという。騎手心理がいかにレースに大きな影響を及ぼすのかは、今年のエルフィンSや2015年の桜花賞が証明している。
競馬が実力通りに決まるとは限らないのは、乗っている騎手もまた人間だからだろう。
ちなみに『ワールド』は入会費や月会費、退会費などの諸経費が一切無料。つまり、『ワールド』に登録すれば、桜花賞で大西氏が有力視する3頭も無料で知ることができるというわけだ。
信じられないかもしれないが、昨年の二冠馬で最優秀3歳牝馬を受賞したスターズオンアースは、桜花賞の段階では7番人気の伏兵に過ぎなかった。つまり、トップホースたちが初顔合わせするクラシック開幕戦は、それだけ実力差が読みづらく、同時に思わぬ波乱も起きやすいということだ。
そんな中で元JRA騎手の慧眼にあやかれるのは、この上なく頼もしいことだろう。「もちろん人気通りの3頭ではない」(同関係者)と話しているだけに、今から週末が楽しみだ。
CLICK→ダービージョッキー大西氏監修【無料公開!桜花賞『厳選3頭』】WORLD競馬WEB
※本稿はPR記事です。