武豊「熱烈バックアップ」のクラブに試練!? 「サンデーR&社台RH」超えの勝ち上がり率マークも…「丸3か月勝利なし」の厳しい現実
先週の桜花賞(G1)はサンデーレーシング所有のリバティアイランドとコナコーストがワンツーフィニッシュ。3着にはキャロットファーム所有のペリファーニアが入り、ノーザンファーム系列の一口馬主クラブ馬が上位を独占した。
サンデーRやキャロットFのような有力クラブから零細クラブまで、現在活動している一口馬主クラブは20前後。その中で最も新しく設立されたのが、現3歳世代が初年度募集馬の「インゼルレーシング」である。
新興一口馬主クラブとして、19頭がラインアップに名を連ねた初年度は、昨年6月の函館でクリダームが初陣を飾る幸先のいいスタートを切った。さらにクラブにとって3戦目の函館2歳S(G3)では同馬が惜しい2着。ファンに“インゼル”の名を広く知らしめることに成功した。
その後もインゼルレーシングは着実に白星を重ね、年末までに6頭が勝ち上がった。さらに年明け初日の金杯デーにシュバルツガイストが未勝利を脱出。その4日後にはシュニーも初勝利を挙げ、2023年は2連勝のロケットスタートを決めた。
『一口馬主DB』で公開されているデータによると、これまでに初年度募集馬の19頭中9頭が勝ち上がっており、3歳世代の勝ち上がり率は47.4%に上る。これは2位社台レースホースの43.9%、3位サンデーRの37.2%を凌ぎ、一口馬主クラブの中では堂々の1位である。
順風満帆な出だしを見せたインゼルレーシングだが、実はその後、試練の真っただ中にいるという。
「丸3か月勝利なし」の厳しい現実
「1月9日にシュニーが勝ち上がるまで、1か月に1勝ペースで勝ち星を挙げていましたが、その後は全く勝てなくなってしまいました。先週末までの丸3か月間、勝利なしの状況が続いており、目下18連敗中。それまでの躍進がウソのような不振に陥っています。
さらにこれまで9頭が勝ち上がっていますが、いずれも1勝止まり。2勝馬は皆無で、2勝目を懸けて臨んだレースでは、クラブ全体で13戦全敗という成績です」(競馬誌ライター)
そんな窮地に陥ったインゼルレーシングの代表を務めているのが松島悠衣氏だ。その名字からも分かる通り、キーファーズ代表の松島正昭氏の愛娘である。
父の正昭氏といえば、「武豊騎手で凱旋門賞を勝つのが夢」と公言しているように武騎手の熱烈なファンとして知られ、同騎手とのコンビで昨年の日本ダービー(G1)を所有馬のドウデュースで制している。
そんな家族関係もあって、父ほどではないが、娘のインゼルレーシングも武騎手への騎乗依頼は非常に多く、これまで武騎手の所有馬への騎乗率は58%(52回中30回)にも上る熱烈なバックアップぶりだ。
先日の大阪杯を勝ち、JRA・G1史上最年長記録をするなど、54歳を迎えた今も第一線で活躍する武騎手。現役でいる限り、インゼルレーシングの馬に騎乗する機会は今後も減ることはないだろう。武騎手は3か月勝利なしの窮地を救うことができるか。今後のインゼルレーシングと武騎手の動向に注目したい。