「単勝129.3倍」近年低迷のベテランが大激走で特大馬券炸裂! D.レーン「大出遅れ」大本命がスタート直後に終戦
22日、東京10Rに行われた芝1400mのハンデ戦・晩春S(3勝クラス)は、単勝129.3倍の超人気薄カルリーノ(牡7歳、美浦・高橋裕厩舎)が優勝。三連単は123万円を超える高配当となった。
この日からスタートした春の東京競馬は、ここまで9レース中8レースで1番人気が馬券に絡む決着。比較的穏やかといえる配当が続いていたのだが、午後3時を過ぎてついに特大馬券が飛び出した。
フルゲート18頭が集った一戦。カルリーノと鞍上の田辺裕信騎手はスタートを無難に出たが、二の脚がつかず後方4番手付近からの競馬。ただ、先手を取ったセッタレダストが前半600m通過34秒1とあまり緩めずに逃げてくれたことは、後ろからレースを運んでいた人馬にとっては幸いだったか。
また、カルリーノは道中ロスなくインコースを進んでおり、最後の直線に向くとスムーズに外へ持ち出すことにも成功。最後は上位3頭の叩き合いとなったが、クビ差で力強く抜け出したところがゴールだった。
「カルリーノの激走には正直驚きましたね。この舞台は京王杯2歳S(G2)で3着の実績があるとはいえ、4年半も昔の話。現在は約3年間も勝ち星から遠ざかって27連敗中と、15馬人気の低評価でした。
今回の勝利でついにオープン入りを果たしたわけですが、今後も東京の芝1400mでは意外に侮れない存在になるのではないでしょうか。次戦には同コースが舞台の京王杯スプリングC(G2)なども視野に入ってくるかもしれません」(競馬誌ライター)
三連単123万円超えの決着に対してレース後、SNSやネット掲示板などには「まさかここでカルリーノが来るとは」「馬券取った人が羨ましいです」などといったコメントが集まっていた。的中したファンにとっては、もうすぐ始まるゴールデンウィークを前に特大の臨時ボーナスとなったことだろう。
また、この大万馬券の引き金となったのが、単勝1.9倍で馬券圏外の10着に敗れたラズベリームースとD.レーン騎手のコンビであることは間違いない。
「大出遅れ」大本命がスタート直後に終戦
昨春に桜花賞(G1)まで駒を進めた好素材は、近2走で条件戦を連勝。鞍上には、この日も1Rから連勝を決めるなど絶好調のレーン騎手を配してきたこともあってか人気が集中していた。
しかし、スタートでまさかの大出遅れ……。5馬身ほど遅れてシンガリ付近からのレースを余儀なくされると、最後の直線でも伸びを欠いて惨敗を喫した。
人気を裏切ってしまったレーン騎手はレース後、「ゲートが開く瞬間に首を下げてしまい、良いスタートが切れなかった。レースに参加するのが難しくなってしまいました」と、敗戦の弁を述べている。
「実はラズベリームースは今回と同じ東京芝1400mが舞台だった新馬戦でもスタートで大きく出遅れているんですよね。もちろん偶然だとは思いますが、考え方次第では危険な人気馬として取り扱うこともできたかもしれませんね」(同)
また、その新馬で騎乗していたC.ルメール騎手はレース後のコメントで「距離は1600mから1800mくらいあった方が良いと思います」とラズベリームースの距離適性についても述べていた。ここまでの3勝もすべて1600mだっただけに、仮にゲートを五分に出ていたとしても今日のカルリーノに先着できたかどうかは微妙なところだったかもしれない。
そのカルリーノと共に波乱の立役者となった田辺騎手はレース後、「年齢的にどこまで頑張れるかなと思いましたが、ずっと手応えは良かった」「よく頑張ってくれました」と相棒を褒め称えた。今後もどこかで高配当を演出してくれることを期待したい。