【クイーンエリザベス2世C(G1)展望】ラヴズオンリーユーを復活に導いたC.ホーがダノンザキッドと新コンビ!末脚強烈ジェラルディーナとプログノーシスにも勝機あり

ダノンザキッド 撮影:Ruriko.I

 30日、香港のシャティン競馬場ではクイーンエリザベス2世C(G1)が開催される。

 今年の中山記念(G2)を制したヒシイグアスは残念ながら遠征直前に熱発のため回避したが、出走予定馬7頭のうち3頭が日本馬。いずれも勝ってもおかしくない能力の持ち主だ。

 ダノンザキッド(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)は、2歳時にデビューから無傷の3連勝でホープフルS(G1)を制した正真正銘のG1馬。その後は勝利こそないが、G1でたびたび馬券に絡む活躍を見せている。

 日本馬3頭の中で唯一海外経験を有するのがダノンザキッドだ。昨年秋のマイルCS(G1)2着後に北村友一騎手とのコンビで臨んだのが香港C(G1)だった。

 5頭いた日本馬の中では最低の6番人気(JRA発表)に甘んじたが、最先着の2着に好走。1着ロマンチックウォリアーには4馬身半離されたが、コースを1度経験しているのは強みとなるだろう。

 その香港Cと同じシャティンの芝2000mで、今回新たにコンビを組むのは昨夏にJRA短期免許を取得し、日本で約1か月間騎乗したC.ホー騎手だ。

 2年前にはラヴズオンリーユーを約2年ぶりのG1勝利に導いた香港の名手が、今回はダノンザキッドを2年4か月ぶりの復活勝利に導けるか。大阪杯(G1)でタイム差なしの3着に敗れた鬱憤をここで晴らしたい。


 残る日本馬2頭は今回が初の海外遠征となる。

 モーリス×ジェンティルドンナの超良血ジェラルディーナ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は昨年のエリザベス女王杯(G1)を快勝。続く有馬記念(G1)でも後方から追い込んでイクイノックスの3着に好走した。

 今年は大阪杯から始動して後方待機から直線に懸けたが、完全に前残りで展開も向かなかった。それでも上がり3ハロンはスターズオンアースに次ぐ2位タイをマーク。勝ったジャックドールから0秒6差の6着まで追い上げた。

 前走の内容から本馬にとって2000mはやや距離不足の感は否めない。ただ、日本より時計がかかる香港の馬場はプラスに作用するだろう。

 さらに鞍上がエリザベス女王杯と有馬記念で手綱を取ったC.デムーロ騎手に乗り替わるのも心強い。陣営も全幅の信頼を置く鞍上がジェラルディーナを再びVロードへと導くか。


 プログノーシス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)は、日本馬3頭の中で唯一のG1未勝利馬。重賞勝利も前走の金鯱賞(G2)だけだが、3歳春にキャリア1戦で臨んだ毎日杯(G3)でシャフリヤールの3着に好走するなど、早くからその素質は高く評価されていた。

 毎日杯の後は間隔を空けながら自己条件を3連勝してオープン入り。昨年秋のカシオペアS(L)と中日新聞杯(G3)は差し損ねる形で惜敗を喫していた。

 大きいところを狙うためにも勝利が絶対条件だった前走は重賞馬が7頭いる中で堂々の1番人気。スタートでやや後手を踏んだが、12頭立ての後方3番手を追走すると、外目を通って直線で末脚を爆発させ、上がり最速の末脚で逃げたフェーングロッテンを差し切った。

 その後は中2週で大阪杯に出走予定だったが、右後肢に疲れが出て無念の回避。しかし、すぐに回復したため、香港へと矛先を向けてきた。

 これまで国内では川田将雅騎手が主戦を務めていたが、今回は香港のZ.パートン騎手が鞍上に交代。昨年まで香港で5回のリーディングを獲得し、今年も首位を走る名手にかかる期待は大きい。

 ただ、日本馬が2年ぶりの勝利をつかむには、この馬を撃破する必要がある。昨年の当レースをG1初挑戦で制覇したロマンチックウォリアー(セ5歳、香港・C.シャム厩舎)だ。

 昨年は12月の香港C(G1)も圧勝し、その時点で通算成績を10戦9勝とした。ところが、今年に入ってから香港スチュワーズC(G1)と香港ゴールドC(G1)で連続2着。いずれも1番人気に支持されたが、ゴールデンシックスティの後塵を拝した。

 今回はゴールデンシックスティが同日開催されるチャンピオンズマイル(G1)に回ったため、現地オッズでは圧倒的1番人気も予想される。ロマンチックウォリアーは、日本馬3頭にとって越えなければいけない壁となって立ちはだかる。


 ドバイオナー(セ5歳、英・W.ハガス厩舎)は、21年の香港C以来、これが2度目の香港遠征となる。

 デビューから3歳春まではマイル路線で5戦1勝にとどまっていた同馬だが、3歳夏に中距離路線にシフトするとG2・2勝を含めて3連勝とその才能を開花させた。しかし、21年の英チャンピオンS(G1)でシリウェイの2着に敗れると、その後は約1年半にわたって勝利を挙げることができず。

 復活勝利を飾ったのは今年初戦のランヴェットS(豪G1)だった。R.ムーア騎手を背に待望のG1初勝利を飾ると、続くクイーンエリザベスS(豪G1)もT.マーカンド騎手とのコンビで完勝。今回も引き続きマーカンド騎手とのコンビで、G1・3連勝を狙う。

 残り2頭は、豪州と香港でこれまで38戦して「7-7-6-18」の成績を残すトゥールビヨンダイヤモンド(セ6歳、香港・C.シャム厩舎)、昨年の香港Cで3着に善戦したマネーキャッチャー(セ5歳、香港・F.ロー厩舎)の地元勢。いずれもG1未勝利だが、虎視眈々と上位進出を狙う。

 7頭立ての少頭数となった今年のQE2世Cはロマンチックウォリアーが中心。この馬に日本馬がどこまで対抗できるかが見どころとなる。発走は30日の17時40分(日本時間)を予定している。

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