「ポジションが悪くなった」川田将雅の騎乗に福永祐一もダメ出し? キタサンブラック産駒「有力2頭」に分かれた明暗

ガイアフォース 撮影:Ruriko.I

 23日に行われたマイラーズC(G2)は、1番人気のシュネルマイスターが上がり3ハロン32秒9の豪脚で優勝。一昨年の毎日王冠(G2)以来、約1年半ぶりの勝利の美酒に酔った。

 騎乗していたC.ルメール騎手はレース後、「今回は本当のシュネルマイスターを見せてくれました」と納得のコメント。復活した3歳マイル王が今後も短距離路線を大いに盛り上げてくれそうだ。

 また、勝ち馬にはクビ差で及ばなかったものの、初のマイル戦で2着に健闘したのが、キタサンブラック産駒のガイアフォースだ。

 同馬は昨年のセントライト記念(G2)を優勝し、続く菊花賞(G1)で1番人気に推されたものの8着。前走のアメリカジョッキークラブC(G2)も単勝1.8倍で5着と2走連続で人気を裏切っていたが、今回は距離を短縮したことが功を奏したようだ。

 惜しくも勝利とはならなかったが、管理する杉山晴紀調教師も「選択肢が広がって良かったです」と、芝1600mに対応できたことを評価。また、元JRA騎手の安藤勝己氏は自身のTwitterにおいて、ガイアフォースの本質は中距離としつつも、「器はG1級」と高く評価した。

 一方、このレースに出走していたもう1頭のキタサンブラック産駒であり、2番人気に支持されたジャスティンスカイ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)と川田将雅騎手のコンビは、期待に応えられず9着に敗れている。

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 同馬は昨秋、マイルに転向してから3連勝。前走の洛陽S(L)で手綱を握っていた福永祐一騎手(現調教師)も「これからが楽しみな馬」と評価していた期待馬だ。福永騎手が2月末で引退したことで、新コンビの相手として白羽の矢が立ったのが、リーディングジョッキーの川田騎手だった。

 15頭立てのレース。2枠3番から五分のスタートを切ったジャスティンスカイだったが、内枠だったことも災いしたのか、先行勢に前に入られると、徐々にポジションを下げていく苦しい展開。勝ち馬とほぼ同じ位置で最後の直線を迎えたが、切れ味勝負でも後れを取って9着に終わっている。

「追走にもうひとつスムーズさを欠いたことで、やや消化不良のレースとなってしまいましたね。最後の直線では外に出したかったところかもしれませんが、ルメール騎手とシュネルマイスターに完全にフタをされてしまった時点で万事休すでした」(競馬誌ライター)

 4着に粘ったシャイニーロックは、前走で完勝した相手だけに、スムーズな競馬が出来なかった川田騎手も「色々考えるあまりポジションの悪い競馬をしてしまい、この馬の持ち味を出せない競馬にしてしまった」と悔いるなど、今回に限っては自らの非を認めている。

川田将雅騎手の騎乗に福永祐一調教師もダメ出し?

 レース後には一部のファンからSNSやネットの掲示板などで川田騎手の騎乗に疑問を呈する声も出ていたが、中には尊敬する先輩からもちょっとした苦言を呈されたことに触れるファンもいた。

 その相手とは、前走の洛陽Sでジャスティンスカイを勝利に導いた福永騎手だ。奇しくもこの日、『競馬BEAT』(関西テレビ)に特別解説として出演していた“福永先生”は「僕ならもう少し前に行ってた」と、川田騎手の騎乗にダメ出しする一幕があったようだ。

「YouTubeの『JRA公式チャンネル』では、この日より運用が開始されたトラッキングシステムによるグラフィック入りのレース映像が公開されています。これを見ると『色々考えてしまった』と話した川田騎手の迷いのようなものが見て取れるかもしれませんよ」(同)

 前週にはソールオリエンスが皐月賞(G1)を制するなど、ここにきて注目度が一気に高まっているキタサンブラック産駒だが、このレースに出走した2頭は明暗が分かれる結果となったようだ。

GJ 編集部

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