ゴールドシップの秘密兵器!? マイネル軍団の想いを胸にユーバーレーベン弟が虎視眈々と狙うダービー切符
29日、日本ダービー(G1)と同舞台のトライアル・青葉賞(G2)が行われる。ダービーの切符を掴もうとフルゲート18頭が登録され、下馬評では同距離の1勝クラス・ゆりかもめ賞を勝利したスキルヴィングの1強ムードとなりそうだ。
そんな中、虎視眈々とダービー切符を掴もうとしている馬がいる。マイネルエンペラー(牡3歳、栗東・清水久詞厩舎)だ。この馬は大きな夢を背負った馬なのである。
マイネルエンペラーは現状、目立った成績を残せていない。昨年10月に行われた新馬戦で勝利して以降、年明けの1勝クラスで2着が1度ある程度だ。それでも2着に善戦した1勝クラスの勝ち馬が皐月賞(G1)5着のショウナンバシットと、決して低レベルのレースではなかった。1勝クラスを突破した馬が4頭しかいない今回の青葉賞ならばノーチャンスとは言い切れない。
また、血統面はこの馬の期待をさらに高めるものだ。
ゴールドシップの秘密兵器!?
全姉のユーバーレーベンはご存じのとおり、2021年のオークス(G1)を制した馬である。他にもフローラS(G2)で好走するなど、東京コースには確かな実績があった。また、同じく全姉だったバトーブランも東京で未勝利を突破しているように、ゴールドシップ×母マイネテレジアの組み合わせは東京競馬場を得意としている。マイネルエンペラー自身に東京コースの経験はないが、パフォーマンスを上げる可能性はあるはずだ。
さらにデビュー前のインタビューでビッグレッドファームの関係者が「背中の感触がよく、手先の軽さや柔らかさはクラシック向き」と評していたように、2400mでこそ輝く馬である可能性は十分だ。
この馬自身も好調をキープしている。19日の追い切りでは栗東のCWで4ハロン50.5秒の好時計をマーク。管理する清水久調教師は『ラフィアンターフマンクラブ』を通じ「長めからびっしり乗って良い動きでした」と称賛するほど順調で、体調面も抜かりがない。
また、今年の皐月賞はハイセイコーが勝利した1973年以来という重馬場開催。近年稀に見るハイペースであったことから、それがそのままダービーに直結しないかもしれない。そうなると別路線組にも例年以上のチャンスがあるはずだ。
父ゴールドシップ、母父ロージズインメイという血統は、一昨年にこの世を去った岡田繁幸さんの集大成というべきもの。「ゴールドシップは2人(吉田照哉氏と吉田勝己氏)が『これだけはいいか』と譲ってくれた。ゴールドシップがサンデーサイレンスに似ているのなら、もしかするとオルフェーヴルより成功する可能性もある」(週刊Gallop・サンケイスポーツより)と話すほど肝いりで導入した種牡馬だ。
「ゴールドシップ産駒でG1を」とはビッグレッドファームの合言葉でもある。血統面での優位や、臨戦過程でも十分のマイネルエンペラー。はたして、青葉賞でダービーへの切符を手に入れられるのだろうか。