古豪が低評価を覆す貫禄の走りで「歴代トップ」に浮上! 2年連続「降板」の関西ベテラン騎手にも続投を望む声

ディープボンド 撮影:Ruriko.I

 先月30日に行われた天皇賞・春(G1)は、4歳馬のジャスティンパレスが優勝。昨春に挑戦した牡馬クラシック2冠はともに9着に敗れたが、ひと夏を越して急成長を見せると、ついにG1のタイトルを射止めた。

 コンビで4戦4勝となった鞍上のC.ルメール騎手も「長距離でスーパーホースになりました」と絶賛。これからの古馬中長距離路線を主役の1頭として盛り上げてくれそうだ。

 また、1番人気のタイトルホルダーが2周目4コーナーで競走を中止するなど波乱の展開となった中、2着に入った古豪ディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)と和田竜二騎手もさすがの貫禄を示した。

 このレースを2年連続で2着していた同馬は、芝3000mの阪神大賞典(G2)でも2勝をあげている長距離実績の持ち主。にもかかわらず単勝22.5倍の5番人気というのは、結果的にはやや低評価すぎたか。

 7番枠から好スタートを決めた人馬は、前々で積極的なレース運びを披露。「直線で目標がありませんでした」と鞍上が振り返った通り、先頭に早く立ちすぎたのは誤算だったかもしれないが、それでもシルヴァーソニックの追い上げは封じ込んで連対を確保した。

「勝ったジャスティンパレスとルメール騎手には上手いこと目標にされてしまいましたが、それでも自分から動くなど強い競馬を見せてくれました。仕上がりも文句なかったと思いますが、京都の外回りコースも向くのでしょう。

なお、この2着によりディープボンドは獲得賞金が6億4591万3800円となり、JRAのG1級未勝利馬のなかではキョウトシチーやナイスネイチャなどを抜いて歴代トップに躍り出たようです」(競馬誌ライター)

 G1レースでは通算4度目の2着となり、またしてもタイトルには手が届かなかったディープボンドだが、SNSやネット掲示板などではレース後「やっぱり長距離では強いわ」「いつかG1を獲ってほしい」「来年も単勝馬券を握りしめて応援します」といった多くの称賛のコメントが寄せられていた。

2年連続「降板」の和田竜騎手にも続投を望む声

和田竜二騎手 撮影:Ruriko.I

 さらに「やっぱディープボンドの主戦は和田竜騎手だな」「これで乗り替わったらさすがに引く」など、今後も和田竜騎手の続投を希望する声も同じく多く集まっていた。

 キャリア22戦のうち17戦でディープボンドの手綱を取っている和田竜騎手だが、2年前の秋に同馬がフランスに遠征した際は外国人ジョッキーに乗り替わり。過去にG1・7勝馬テイエムオペラオーなどの主戦を経験している45歳ベテランだが、海外での実績は乏しいだけに仕方ない部分もあったか。

 帰国後の有馬記念(G1)で手綱が戻るとエフフォーリアの2着に好走。年明けも阪神大賞典を制するなどしっかりと結果を出した。

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 しかし昨年秋、再びフランスへと遠征したディープボンドの背中には、和田竜騎手でも外国人ジョッキーでもなく、川田将雅騎手の姿があった。

「和田竜騎手も特にミスなどはしていなかったと思いますが、陣営としてはトップジョッキーに乗り替わることによって、ディープボンドにさらなる変化が表れることを期待したのかもしれませんね。

ただその目論見はもうひとつ上手くいかなかった様子。川田騎手は凱旋門賞(G1)18着、続く有馬記念でも8着とあまり芳しい成績をあげられずにお役御免となっています」(同)

 2年連続で降板という憂き目にあった和田竜騎手だが、今年に入って再び手綱が戻ると、今回の天皇賞・春でも2着とさすがの好相性ぶりを見せてくれた。管理する大久保師も「注文通り完璧だった。これで負けたら仕方ない」と称賛のコメントを残している。

 ディープボンドは今後、大山ヒルズへ放牧に出され、状態を見ながら次走を検討するという。海外であれ国内であれ、果たして和田竜騎手は手綱をキープすることができるだろうか。

GJ 編集部

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