【宝塚記念】イクイノックス参戦で「ツイてない男」に大逆転のチャンス到来!? 「G1・3着でも2着でもクビ」からの再登板あるか

イクイノックス 撮影:Ruriko.I

 昨年の天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)を連勝し、3月にドバイシーマクラシック(G1)を圧勝したイクイノックス(牡4、美浦・木村哲也厩舎)が、6月25日の宝塚記念(G1)に参戦することが分かった。

 年度代表馬に選ばれただけでなく、IFHA(国際競馬統括機関連盟)の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で1位になった現役最強馬は、主戦を任されるC.ルメール騎手が「最高の馬」と評する大物だけに、宝塚記念でもコンビ継続はほぼ確実。春のグランプリでG1・4勝目を視野に入れる。

 その一方で宝塚記念には当初、ルメール騎手がコンビを組んだ3頭の出走を噂されていてもいた。筆頭は勿論イクイノックスだが、後は先日のヴィクトリアマイル(G1)で3着に入った昨年の二冠牝馬スターズオンアースと、圧勝した天皇賞・春(G1)で初G1制覇を遂げたジャスティンパレスの2頭だ。

 スターズオンアースについては既に放牧に出され、秋に備えることが発表されたこともあり、鞍上問題が回避されたものの、ジャスティンパレスについては宝塚記念が選択肢のひとつに入っていると杉山晴紀調教師がコメントしている。もし出走するようなら、ルメール騎手はイクイノックスを選択する可能性が高いため、どの騎手が乗るのかという話は避けられないだろう。

「ツイてない男」に大逆転のチャンス到来!?

鮫島克駿騎手 撮影:Ruriko.I

 そこで思い浮かぶのは鮫島克駿騎手の存在だ。近3走はT.マーカンド騎手やルメール騎手が騎乗したジャスティンパレスだが、鮫島駿騎手も昨年の神戸新聞杯(G2)を優勝し、菊花賞(G1)で3着と悪くない結果を残した。陣営が実績と実力で上回る外国人騎手への乗り替わりを決断した経緯があるとはいえ、全国リーディングでトップ10を争う手腕の持ち主だけに、再びチャンスが巡って来ても不思議ではない。

 また、鮫島駿騎手は先日のオークス(G1)でも苦い思いを経験したばかり。桜花賞(G1)で6番人気のコナコーストを2着に導く好騎乗を見せながら、陣営が発表したのは非情にも映るD.レーン騎手への乗り替わり。これには本馬を管理する清水久詞調教師から「鮫島駿騎手が下手なわけじゃありませんが、そこは勝負の世界」と気遣ったものの、乗り替わったレーン騎手は7着に敗れ、結果を残せなかった。スタートでぶつけられる不利を受けたことも大きかったとはいえ、G1の舞台で無念の降板となった鮫島駿騎手としては、「もし自分が乗っていたなら……」という想いは少なからずあったはずだ。

 G1で3着や2着に入っても、各陣営に乗り替わりを告げられた現実は、「ツイていない男」として気の毒だが、まだ26歳の鮫島駿騎手にはまだまだチャンスがある。結果を残し続け、関係者からの信頼を勝ち取ることで、“降ろされない男”になるしかない。

 今のところレーン騎手の短期免許交付期間は6月13日までのため、宝塚記念が行われる6月25日は帰国が濃厚。前走でジャスティンパレスに騎乗したルメール騎手がイクイノックスに騎乗した場合は、鞍上が空白となるだけに白羽の矢が立つ可能性は十分にある。

 G1勝利を渇望する男に再登板のチャンスは訪れるだろうか。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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