【日本ダービー】武豊「勝つんちゃうかな」、C.ルメール「ダービーホース」の矛盾対決に注目! コントレイル、デアリングタクトに続く三冠達成にも期待

ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 競馬の祭典ともいわれる日本ダービー(G1)は、すべてのホースマンが勝利を夢見る注目のレースだ。今年で第90回を迎える大舞台に世代の頂点を目指す有力馬たちが参戦。戦前の下馬評では、皐月賞(G1)を異次元の末脚で突き抜けたソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)に人気が集まりそうである。

 ただ皐月賞で強い勝ち方を見せた馬といえども、日本ダービーであっさり負けてしまうケースが決して少なくないことも思い出しておきたい。

 過去10年の日本ダービーにおいて、前走が皐月賞だった馬の成績は【7.9.6.69/91】と悪くない一方で、皐月賞馬が連勝したのは2015年ドゥラメンテ、20年コントレイルの2頭のみ。しかも前者は春二冠だけでなく三冠も期待されたスケールの持ち主だった上に、後者は父ディープインパクト以来となる無敗の三冠達成をしたほどの大物だった。

 もしソールオリエンスもこれらに続いて二冠を手にするようなら、このまま三冠馬となることも夢ではないだろう。

 とはいえ、これを阻止せんと目論む不気味なライバルも虎視眈々と一発を狙っている。

 中でも怖い存在は現在の競馬界を代表する名手である武豊騎手とC.ルメール騎手の2人ではないか。

ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

 日本ダービーで武豊騎手は皐月賞3着のファントムシーフ(牡3、栗東・西村真幸厩舎)、ルメール騎手は青葉賞(G2)を制したスキルヴィング(牡3、美浦・木村哲也厩舎)に騎乗を予定。どちらもトップクラスの実力の持ち主だけに、ソールオリエンスにとって強敵となる。

 ルメール騎手は『サンケイスポーツ』に取材に対し、「去年からダービーホースだと思っていたし、自信はあります」と答えていたように上々の手応え。「ベストコンディションで競馬ができると思います」とやる気十分のようだ。

 しかし、やはり無視できないのは、【0.5.4.48/57】という青葉賞組の成績か.。1994年から重賞となったこのステップレースだが、29年の歴史で未勝利。直近10年も13年アポロソニック、14年マイネルフロスト、17年アドミラブルの3着があった程度。この5年は3着にすら入っていない。

 これに対し、歴代最多となるダービー6勝を誇る武豊騎手は、前走でルメール騎手が騎乗したファントムシーフとのコンビで挑む。ルメール騎手がクラシックで3着に入った馬より、青葉賞馬を優先したのも驚きだが、代わりに競馬界のレジェンドの確保に成功した陣営も力が入るはずだ。

 過去に騎乗経験のない馬へのテン乗りでダービー馬が誕生していないことは懸念材料となるものの、ダービーの勝ち方を最も知る男なら、そんなジンクスも一笑に付してしまうかもしれない。『UMATOKU』が報じた記事によると、追い切りを終えた武豊騎手が「勝つんちゃうかな」とつぶやいたらしいのだから現実味を帯びてくる。

「あくまでデータ的なものですが、両者の乗り替わりには特に注目しています。コンビ継続なら条件クリアだったルメール騎手が、優勝例のない青葉賞馬を選択し、ダービー最多勝の武豊騎手が、テン乗りで優勝例のないファントムシーフに騎乗する訳です。

傾向的に過去10年で2勝の皐月賞馬ソールオリエンスもデータ的に盤石とは言い難いため、データ派としても非常に楽しみなダービーとなりそうです。皐月賞2着のタスティエーラもテン乗りのD.レーンですからね」(競馬誌ライター)

 まるで「矛と盾」のような関係にあるルメール騎手と武豊騎手に対し、勝てば三冠級にお墨付きの出るソールオリエンスだが、横山武騎手にはエフフォーリアで経験不足を露呈した苦い記憶もある。

 注目の枠順は1枠2番にスキルヴィング、3枠5番にソールオリエンス、6枠12番にタスティエーラ、7枠14番にファントムシーフが入った。

 ソールオリエンスが勝てば、既にクラシック二冠を決めたリバティアイランドと共に、牡牝で二冠馬が誕生することになる今年。コントレイルとデアリングタクトの2頭が三冠馬となった20年に続く快挙はあるだろうか。

GJ 編集部

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