【安田記念(G1)予想】マイル経験のないジャックドールは黙って消し!とっておきの穴馬にも注目

 今回は春のマイル王決定戦・安田記念(G1)を予想していく。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
ヴィクトリアマイル、マイラーズC 各5頭
高松宮記念、大阪杯(G2時代含む)、ドバイターフ(ドバイデューティフリー時代含む)、京王杯スプリングC 各3頭
ダービー卿チャレンジT 2頭
天皇賞・秋、マイルCS、NHKマイルC、チャンピオンズマイル、中山記念、安土城S(OP) 各1頭
となっている。ヴィクトリアマイル(G1)とマイラーズC(G2)からの臨戦が最多。特に注目したいのがヴィクトリアマイルで、近5年毎年馬券に絡んでいるので注意すべきだろう。安田記念は秋のマイルCS(G1)と違って、中距離をこなすスタミナも要求されることから、中距離重賞からの転戦も少なからずある。基本は前走重賞であること。例外が1例あるが、これはモズアスコットがオープン特別2着から連闘で臨んで勝利したケース。ごく稀なので同じケースでなければ軽視していいだろう。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-3-2-2
2番人気 0-1-1-8
3番人気 1-3-1-5
4~6番人気 2-1-2-25
7~9番人気 4-1-1-24
10番人気以下 0-1-3-66
となっている。1番人気はほぼ鉄板。近5年でも飛んだのはイルーシヴパンサー(8着)のみ。2番人気と3番人気はアテにしづらく、近5年でも2頭ずつと冴えない。イメージよりは荒れる傾向にあり、7番人気以下の人気薄が激走する。近5年でも3頭来ており、上位人気よりもこちらの方が来る可能性自体は高い。過去には10番人気以下の馬も来ていたが、近年はそこまで人気薄の馬は出番がない傾向のようだ。

 ちなみに天候に関しては土曜の昼にはおそらく雨が上がって、以降は晴れ間も出る予報。当日は晴れ予報なのでどんなに影響が残っても稍重まで、おそらくはパンパンの良とはいかないまでも良馬場開催になるだろう。したがって、ここでは馬場の影響は無視して予想を進める。

ソングライン 撮影:Ruriko.I

 以上を踏まえて「◎」は人気サイドで申し訳ないが大外18番のソングラインとする。

 前走はヴィクトリアマイル。内目の枠からポジションを下げて中団につけて追走。降雨の中でのレースの割に速いペースで流れ、4コーナーでポジションを少し上げて直線へ。内の方から脚を伸ばし、外にいたソダシをゴール前アタマ差交わして勝利した。

 前走は海外帰りだったが、多少水を含んでいる馬場ながら上がり3ハロン2位の脚で豪快に勝利をもぎ取った。陣営もこの点を評価しており「中間はさらに踏み込んだ調整ができた」ということで調子は上がり気配。

 中2週とレース間隔は詰まっているが、上でも触れたように近5年はヴィクトリアマイルからの臨戦馬が必ず3着内に入っている。そういう意味でも人気サイドであろうが押さえざるを得まい。

 懸念を言えば近5年でヴィクトリアマイルを勝って臨んだ馬は2頭いるが、どちらも2着までということ。それがアーモンドアイとグランアレグリアという近年稀に見る名牝なので、これを覆せるかどうか。8枠は好相性の枠で、昨年、一昨年と馬券圏内に入っているがどちらも3着だった。さらに安田記念連覇というのはハードルの高いもののようで、過去72回の歴史で3頭しか達成していない。直近が2008~09年のウオッカとなるので、このハードルを越えるのも容易ではなかろう。

 ソングラインをアタマにして流して買うのは危険だが、BOXで買う分には2着も3着も「当たり」である。そういう意味で3着内に来る可能性がもっとも高いと見て本命とした。


「○」も人気サイドで申し訳ないが14番シュネルマイスターを挙げる。

 前走はマイラーズC。出遅れもなくスッと出て、そのままポジションを下げて中団より後ろ目につけて追走。ペースは緩い流れになったままで直線へ。大外に出されると一気に伸びて前にいた馬をごぼう抜きし、上がり最速となる32.9秒の鬼脚で久しぶりの勝利を挙げた。

 昨年のこのレースで2着に入った後パッとしないレースが続き、海外遠征となった香港マイル(G1)でもいいところがなくシンガリ負け。2走前の中山記念(G2)も善戦止まりとなっていたのだが、前走でようやくいいときの調子に戻してきたと見ている。

 陣営は中間の動きの良さをアピールしており「天候や枠順が上手く噛み合えば好勝負」とやや微妙な言い回しをしている。枠順に関しては、このレースとは特に相性がいい7枠を引いた。19年以降、毎年馬券圏内に入っており、20年からは3連勝している。陣営がどう捉えているかは何とも言えないが、データからは問題クリアだろう。

 また、この馬自身も3歳時に挑戦して3着、翌年は2着と東京マイルというよりは、このレースとの相性がいいと見える。調子を上げてきている上に好枠を引いて、実績のあるレースに参戦となれば、人気サイドでも押さえざるを得ないだろう。

シャンパンカラー 撮影:Ruriko.I

「▲」はG1馬なのに意外に不人気な9番シャンパンカラーを推す。

 前走はNHKマイルC(G1)。スタートで出遅れて後方へ。渋った馬場の割にそれなりのペースで流れ、後方のまま直線へ。直線では外目に出されて伸び、自身より前にいた馬を交わして、後ろから来る馬をシャットアウトした。

 前走は9番人気の伏兵扱いで3連単26万馬券を演出する格好になった。この時の予想では「△」扱いとしたが、改めて5戦のキャリアを眺めてみると、うち3戦は東京マイルでのレースでいずれも勝っている。サンプルが少ないので断言はできないが、東京マイルと相性がいいのだろう。

 陣営は「4kgある斤量差でなんとかしたい」とやや悲観的な見解のようである。実際、過去72回の歴史で3歳馬(現在表記)が勝利したのは3回だけ。うち2回は51年の第1回と翌年の第2回なので参考外としても、直近では11年のリアルインパクトとなり、過去10年に絞っても一昨年のシュネルマイスターが3着に入ったのが最高成績となる。

 かように3歳馬にとってはハードルの高いレースではあるが、そのシュネルマイスターにしてもNHKマイルCを勝ってここへ臨み、3着に食い込んでみせた。NHKマイルCの勝利がフロックでなければ、このくらいはやれるだろうという可能性込みで印を打っておく。


「△」は人気サイドの4番セリフォス、5番ソダシの2頭と穴馬11番イルーシヴパンサーの計3頭とする。

セリフォス 撮影:Ruriko.I

 セリフォスは前走ドバイターフ(G1)で、適距離ではなかったにせよ5着に粘ってみせた。ドバイターフからの帰国初戦でいきなり馬券圏内は3例あり、昨年のシュネルマイスター、19年のアーモンドアイと14年のジャスタウェイの3頭が該当する。馬の実力が本物であれば、この程度のハードルは難なくクリアしてしまうものと思いたい。

 陣営も「ドバイの敗戦は悲観するような内容でなかった」として、ここを目標に順調に来られたとしている。鞍上が先週の日本ダービー(G1)を制したD.レーン騎手なのも頼みにしているようである。その辺の話はさておいて、この馬も3歳時にこのレースに挑戦し、0.1秒差の4着と善戦している。昨年のマイルCSを勝っているように、本格化している今ならすんなり来てもおかしくはない。

 ソダシの前走はヴィクトリアマイルで、こちらは終始2番手につける積極策。直線でもゴールまであと少しというところまで先頭だったが、後ろから来たソングラインに交わされてしまい2着に終わった。

 この馬の場合、着外に飛んでいるのは「条件が合わなかった」レースに限られる。オークス(G1)と秋華賞(G1)、昨年の札幌記念(G2)は距離、チャンピオンズC(G1)は初ダートと割と敗因がはっきりしている。今回に関しては陣営も強調する「ワンターンのマイル戦」。勝つかどうかはさておいて、条件に合致しているのは間違いない。


 イルーシヴパンサーの前走は中山記念で、内目の枠から好スタートを切って中団より前目につけて追走。スローで流れる中で3コーナーからポジションを上げていき、直線に向いたが伸びを欠いて8着に終わった。

 昨年のこのレースにも出走しており、1番人気に推されるも8着と期待を大きく裏切っている。夏も休養せず関屋記念(G3)を使われているが、ここでも人気しながら11着といいところなく敗退。だが、そこから休養を取って今年初戦の京都金杯(G3)では人気を落としながら見事な差し脚で勝利を飾った。

 前走の敗退に関してはスタイルに合わないレースをしたことも然る事ながら、距離が持たなかったものと考えられる。過去1800m戦や2000m戦で連対しているキャリアはあるが、本質はマイラーなのだろう。そして東京のマイル戦では4戦して3勝、負けたのは安田記念だけなので基本的に相性もいいはず。

 また休み明けの鉄砲も【2-1-0-1】と成績がいい。勝ちまではないだろうが、馬券圏内なら十分考えられると考えて押さえておきたい。


 人気どころでは3番ジャックドールを消し。

 理由は至極簡単で、ここまでマイル戦の経験が一度もないため。脚質的には逃げを打って前で残ったケースは幾度かあるので、こちらは問題ない。また、東京のマイル戦はスピードだけでなくスタミナも要求されることが知られているので、そういう意味では2000mのG1を勝ったことがプラスと考えてもいい。ただ、そうは言っても今回はマイル戦である。2000m戦で実績があっても、マイルの流れを経験したことがないのはマイナスであり、それほどマイルG1は甘いものではない。

 これが逆で、安田記念を勝って2000m戦に挑戦するというのであれば、大いに買い要素になるのだが。

 ということで、今回は4番、5番、9番、11番、14番、18番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。4頭までがおそらく単勝オッズ一ケタ台になろうという人気馬ばかりを押さえたので、そちらが来るとトリガミの可能性大だが、シャンパンカラーやイルーシヴパンサーが爆走して3着内に入ればいきなり好配当が見えてくるはずだ。

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