川田将雅「大出遅れ」単勝1.9倍でシンガリ負け…人気のモーリス産駒新馬2騎が東西で馬券圏外
10日、阪神競馬場の芝1600mで行われた2歳新馬戦は、5番人気のヒヒーンが1馬身3/4差で完勝。好位2番手からメンバー最速の上がり33秒9で直線抜け出し、最後まで後続を寄せ付けなかった。
デビューVを決めた同馬について鞍上の酒井学騎手も「力を発揮して順当に勝ってくれたと思います」と納得のコメント。なお「ヒヒーン」というユニークな馬名は「馬のいななき」から取られているようだ。
父ジャスタウェイ、母イイナヅケも所有していたヒヒーンの大和屋暁オーナーは、『競馬ラボ』に連載しているコラムに「この仔が強い馬になってくれれば、世の中も少しは明るく楽しい世界になってくれるはずでございます」とつづっている。ゆくゆくは海外G1を制した父のような大出世を期待したいところだ。
「大出遅れ」単勝1.9倍でシンガリ負け…
その一方、単勝1.9倍の1番人気だった川田将雅騎手とフェンダー(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)のコンビは、スタートで5馬身ほどの大出遅れ…。見せ場をほとんど作ることなくシンガリの10着に敗れている。
モーリス産駒の同馬は、新馬戦から連勝で昨年の函館2歳S(G3)を制し、11日の函館スプリントS(G3)でも人気の一角となっているブトンドールの弟。調教では古馬オープンのアルサトワと互角の動きを披露していたこともあり、姉に続く初戦突破が期待されていた。
なお一部メディアでは、追い切りに騎乗していたこともあって団野大成騎手を背にデビューとも報じられていたフェンダー。だが、最終的には川田騎手を配してきた。リーディングジョッキーが跨るということで、より人気を集めることにもなったか。
しかしレースでは、いきなりスタートで大きなロス。そこから馬群に取り付いたフェンダーだったが、直線はほとんど伸びが見られず勝ち馬に3秒近く離された最下位で入線した。
「扉が開いた瞬間に馬が驚いてしまったのか、出脚が一息でしたね。陣営は戦前に『まだ子供っぽいところがある』と話していましたが、危惧した部分が露呈してしまった感じでしょうか。
ただ今回は敗因がスタートとはっきりしている上、500キロの馬体重もまだ余裕があるように見えました。次回は変わってくると思います」(競馬誌ライター)
2歳戦の難しさを改めて感じさせられる結果となったが、圧倒的な人気を背負っていたこともあり、レース後には一部ファンから「川田やらかしたな」「いくらなんでも見せ場なさすぎだろ」といったコメントもSNSやネット掲示板などに寄せられていた。
なお、この約10分後に行われた東京5Rの2歳新馬戦では、フェンダーと同じモーリス産駒のエリカエスティームが単勝1倍台の人気を集めていたものの、最後の直線で伸びを欠いて馬券圏外の4着に敗れている。
先週はシュトラウスが9馬身差の圧勝を決めた種牡馬モーリスだが、この日は東西の新馬戦で1番人気を裏切る結果となってしまった。果たして両馬とも次戦で変わり身を見せられるだろうか。