“頼みの綱”武豊で悪夢も…“奥の手”川田将雅が5か月ぶり勝利もたらす! 新興一口クラブに待望「2勝馬」が誕生

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 新興一口馬主クラブの「インゼルレーシング」が1時間に満たない短時間に天国と地獄の両方を味わった。

 まず訪れたのは“地獄”の方だった。

 10日、函館11Rの函館日刊スポーツ杯(2勝クラス、芝1200m)にインゼルRが送り込んだのはクリダーム(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)と武豊騎手のコンビ。函館コースでの好走歴も買われて3番人気に支持されたが、2番手追走から直線を向くもずるずると後退し、まさかの最下位13着に敗れた。

 しかし、その約50分後にクラブに訪れたのは天国だった。

 インゼルRが阪神の最終12R(1勝クラス、ダート1800m)に送り込んだのは、米国三冠馬ジャスティファイ産駒の良血馬、オーサムリザルト(牝3歳、栗東・池江泰寿厩舎)。昨年11月に阪神の2歳新馬(ダート1800m)で初戦Vを飾ったが、そのレースで2馬身半差の2着に破ったのが、後にきさらぎ賞(G3)で3着に好走したクールミラボーだった。

 初陣で後の重賞3着馬を子供扱いしたオーサムリザルト。初戦後に骨折が判明し、今回が6か月半ぶりの実戦だったが、ファンは単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持した。

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 レースでは、川田将雅騎手を背に好スタートを決めると、道中は好位の外目を追走。最後の直線で楽々と抜け出すと、2着馬に3馬身差をつける完勝で、見事にファンの期待に応えた。

新興一口クラブに待望「2勝馬」が誕生

「インゼルRにとっては、まさに待ち焦がれた勝利となりました。今日は、武豊騎手を背に出走していたクリダームが、クラブに初出走初勝利をもたらしたのがちょうど1年前。クラブはその後も順当に勝ち鞍を増やしていきましたが、今年は1月9日を最後に丸5か月間、中央での勝利がありませんでした。

残念ながらこの日はクラブの頼みの綱、武騎手が連敗を止めることができませんでしたが、川田騎手のオーサムリザルトがついに連敗をストップ。しかもクラブにとって初の“2勝馬”誕生というオマケ付きでした。初年度に募集された19頭の3歳馬のうち、これまで中央で8頭が、地方で1頭が勝ち上がっていますが、すべて1勝止まりでしたからね。

また今回、オーサムリザルトの鞍上に川田騎手を配したことも今後につながるでしょう。実はインゼルRと川田騎手がタッグを組むのは、意外にも今回が初めて。リーディングジョッキーと関係を築けたことには、大きな意味があると思います」(競馬誌ライター)

 インゼルRは基本方針として、武騎手を優先的に起用しているだけにオーサムリザルトの次走も武騎手に替わる可能性は高い。それでもクラブの将来を考えれば、有力な選択肢が多いに越したことはないはずだ。

 ダート界に誕生した新たなスター候補生は今後、誰とどんな道を歩むのか。今後のクラブの起用法にも目を配りたい。

GJ 編集部

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