C.ルメール×ダノンの大物VS川田将雅×須貝厩舎!? 超出世レース・宝塚記念デーの「芝1800m新馬戦」が今年も熱い

撮影:Ruriko.I

 昨年の年度代表馬、そして現在の世界No.1となるイクイノックスを筆頭に、今年も楽しみなメンバーが揃いそうな春のグランプリ・宝塚記念(G1)。

 だが、レース当日となる25日には、熱心な競馬ファンにとってもう1つ要注目のレースがある。同じ阪神競馬場で行われる芝1800mの新馬戦だ。

 宝塚記念を巡りトップホースが一堂に会すると同時に、それに伴うトップジョッキーも集結するこの日の阪神開催。少しでも有力な騎手でデビュー戦を迎えたい陣営にとって、この日は格好の“新馬日和”というわけだ。

 そんな事情も相まってか、本レースは2017年から2020年まで4年連続で勝ち馬が重賞ホースになる出世レースに。特にダノンプレミアム(朝日杯フューチュリティS)、ダノンザキッド(ホープフルS)がG1を制したように、勝ち馬は2歳戦から大きな注目を集めることになりそうだ。

 ちなみに昨年の勝ち馬は、今春のNHKマイルC(G1)で1番人気だったカルロヴェローチェ。残念ながら、まだ重賞制覇には至っていないが、5着馬のドゥラエレーデがホープフルSを、6着デルマソトガケが全日本2歳優駿(G1)を勝つなど、メンバーのレベルは相変わらず高い。今年も間違いなく要注目のレースと言えるだろう。

超出世レース・宝塚記念デーの「芝1800m新馬戦」が今年も熱い

「まだメンバーが決まったわけではありませんが、まず注目したのはクイックバイオ(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)ですね。天皇賞・春(G1)を勝ったレインボーラインが叔父にいる血統馬で、父は新種牡馬として好スタートを切ったブリックスアンドモルタル。須貝厩舎は昨年のこのレースの勝ち馬カルロヴェローチェなど、毎年のようにクラシック候補を送り込んでいる名門です。

そんな大物候補とコンビを組むのは、リーディングトップの川田将雅騎手。須貝厩舎×川田騎手といえば、安田記念(G1)のソダシが大きな注目を集めたように、最近になって良好な関係が目立っています。このコンビは昨年も、今年(15日現在)も連対率は50%というハイアベレージ。特に今年は12回コンビを組んで5勝。勝率41.7%と驚異的な結果を残しています」(競馬記者)

 記者曰く、元々はもう少し先のデビューを予定していたクイックバイオだが、態勢が整ったので前倒しになったという。1800mはこの時期の牝馬にとってやや厳しい条件だが、須貝調教師は「この距離でも十分対応できる」と強気だ。強豪牡馬相手にここを勝ち上がるようなら、2歳戦の主役に躍り出るかもしれない。

 その一方で、川田騎手といえばダノックスが誇る「ダノン軍団」の主戦として有名だが、このレースには、そのダノン軍団からも大物候補がスタンバイしている。

「一昨年のセレクトセールで1億6500万円(税込み)で取引されたダノンスウィッチ(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)ですね。

こちらはC.ルメール騎手とのコンビを予定しているそうです。エースの川田騎手が騎乗しないということで『どうなのか』という声もありますが、先週も単勝1.4倍に推されたダノンエアズロックがD.レーン騎手とのコンビでデビュー戦を快勝したように、最近の“ダノン馬”は川田騎手が騎乗しなくても期待大。ルメール騎手なら、楽しみの方が大きいでしょう」(同)

 記者がそう話す通り、ダノックス×ルメール騎手は現在3連勝中。今年はこれが初コンビになりそうだが、昨年は4戦3勝という好成績を残している。

 鍵になりそうなのが、父がAmerican Pharoahという点だろう。この米国三冠馬は産駒数が限定される日本でも次々活躍馬を送り出しているが、カフェファラオ(フェブラリーS)やダノンファラオ(ジャパンダートダービー)など、その多くがダート。芝で活躍したリフレイムのような例もあるが、まずは馬場適性がポイントになりそうだ。

 他にも矢作芳人厩舎の期待馬ドゥマイシングや、ロゴタイプ産駒のブルーミンデザインなども出走の予定がありそうだ。

 勝った馬はもちろん、昨年のドゥラエレーデやデルマソトガケ、一昨年のキラーアビリティ(ホープフルS)など、敗れた馬の出世も目立っている宝塚記念デーの阪神・芝1800m新馬戦。今年はどんな馬が勝ち名乗りを上げるのか。春のグランプリ当日は今年も要注目の1日になりそうだ。

GJ 編集部

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