C.ルメール「G1レベル」の大絶賛! 無敗二冠ミックファイア、武豊ミトノオーとの対決は先延ばしも…「フェブラリーS超え」インパクト
「ペリエールはG1レベルで頑張れると思いますので、また応援してください」
これまで数多のスーパーホースに騎乗してきたC.ルメール騎手から「G1級」のお墨付きが出たのは、18日の東京メイン・ユニコーンS(G3)を圧倒的な強さで制したペリエール(牡3、美浦・黒岩陽一厩舎)だ。
15頭立てで争われたダート1600mのレース。軽快に飛ばすニシノカシミヤを見る形でサンライズジークが2番手につけ、ペリエールは中団やや前目の好位を追走した。最後の直線入り口で3番手までポジションを上げると後はゴーサインを待つだけ。先に抜け出したサンライズジークを楽々交わし去り、ゴール前は流すような走りで3馬身の差をつける圧勝だった。
手綱を任されたルメール騎手から「凄く強かった」「乗りやすい馬」「とても反応が良かった」と賛辞の言葉が続いたのも納得のパフォーマンスといえる。陣営にとって心強いのは、モズアスコット(2020年)やカフェファラオ(21年)で今回と同舞台のフェブラリーS連覇を決めたことのある名手が満面の笑みをこぼしていたことだろう。G1で通用する物差しを知る人物から賛辞のオンパレードだったのだから説得力もある。
ここまでの強さを見せつけられると、大井の無敗の二冠馬ミックファイアや兵庫チャンピオンシップ(G2)を6馬身差で楽勝したミトノオーらが出走を予定しているジャパンダートダービー(G1)への参戦も視野に入ってくるが、黒岩調教師は「夏は休養を考えています」とのこと。豪華メンバーとの対戦は先延ばしとなったものの、秋の復帰が楽しみになるレースぶりだったことは間違いない。
大楽勝の中身はフェブラリーSを上回るインパクト
「ゴール前でまだ手応えに余裕を残しながら、1分35秒0の勝ちタイムをマークしたのも驚きでした。この時計は今年行われた良開催の同条件でも最速。つまり、古馬のG1であるフェブラリーSの1分35秒6をも上回っているわけですから凄いですよ。
開催時期が異なるとはいえ、ともに良だった過去10年のユニコーンS勝ち馬で同年のフェブラリーSより速い決着はありません。来年出走してくるようなら大本命に推されても不思議ではないスケールの持ち主といえそうです」(競馬記者)
昨年は思わぬ不振で17年から5年連続で守り続けたリーディングジョッキーの座を川田将雅騎手に奪われたルメール騎手だが、復調著しい今年は先週の開催を終えてライバルにわずか1勝差と王座奪還の準備は整いつつある。
土曜東京6Rを白毛一族の期待馬アマンテビアンコで制して史上15人目、現役7人目となるJRA通算1700勝も達成。これは競馬界のレジェンド武豊騎手を上回る史上最速ペースだ。
「今年は改めてリーディングジョッキーを取るために頑張りたいです」
そんなフランス人のレジェンドにとって、G1級の素質馬ペリエールとの出会いは何よりの朗報となる。今週末の宝塚記念(G1)には、大本命が確実視されるイクイノックスがスタンバイ。この勢いなら2年ぶりの“定位置奪回”は時間の問題かもしれない。