宝塚記念(G1)「断然ムード」イクイノックスに不都合なジンクス続々…該当馬は勝率2割、2戦全敗、7戦2勝の絶望
25日の阪神競馬場では上半期を締めくくる宝塚記念(G1)が開催される。年によっては秋を見据えたトップクラスの不在で盛り上がりを欠くこともあるが、今年は総勢8頭のG1馬が出走を予定。例年以上に豪華なメンバーで争われることになりそうだ。
主役を演じるのは、現在G1レースを3連勝中と勢いに乗るイクイノックス(牡4、美浦・木村哲也厩舎)で間違いない。
昨年の日本ダービー(G1)で敗れた相手のドウデュースは春全休が発表済み。ライバルも強力なだけに楽ではないが、圧勝続きの近走の内容からイクイノックスで断然ムードが濃厚である。
しかし、大本命視が確実視される一方で、グランプリで1番人気が凡走している過去も見逃せない。
「断然ムード」イクイノックスに不都合なジンクス続々…
あくまでデータ的な観点での話となるものの、過去10年における1番人気の勝利は、わずか2勝しか挙げていない上に、そのうち関東馬は2戦全敗の不振。これを過去20年に広げてみても、単勝オッズ1倍台に推された大本命馬が7頭もいながら、人気に応えたのは2006年ディープインパクトと21年クロノジェネシスの2頭しかいなかった。
かといって敗れた馬たちも、決して押し出されただけの1番人気ではない。その顔触れもシンボリクリスエス、ウオッカ、ブエナビスタ、ゴールドシップ、ドゥラメンテ、キタサンブラックなど錚々たる面々だ。
歴史に名を残すレベルの名馬たちでも、宝塚記念で本来の実力を発揮できないまま、敗れているのだ。父キタサンブラックも2年連続で苦杯を舐めた舞台だけに、断然の1番人気が濃厚とされるイクイノックスも他人事とはいえないだろう。
これに対し覚えておきたいのは、宝塚記念に牝馬の好走例が多いことだ。
過去10年で4勝を挙げただけでなく、2着1回、3着6回と上々の成績。クロノジェネシスやリスグラシューら上位人気馬に限らず、16年に8番人気で優勝したマリアライトや15年に10番人気で2着に入ったデニムアンドルビー、11番人気で3着のショウナンパンドラの激走もある。今年はジェラルディーナ、スルーセブンシーズ、ライラックが出走を予定しているが、人気に関係なく狙ってみても面白そうだ。
勿論、これらは過去の結果に過ぎないため、今年の出走メンバーにそのまま当てはまるとは言えないものの、人気を裏切った馬たちとて、レース前には確勝ムードだったことは思い出しておきたい。