宝塚記念(G1)イクイノックスに「完勝」のクラシック馬が得意条件で大仕事? 白羽の矢が立った若武者「ハードスケジュール」克服でタイトル初奪取へ
発走の時が迫る上半期のドリームレース・宝塚記念(G1)。「騎手未定」で注目を集めたジオグリフ(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)の鞍上に選ばれたのが、5年目の若武者・岩田望来騎手だ。
同騎手は先週終了時点で55勝を挙げ、全国リーディング4位。上の3人が宝塚記念で騎乗馬が決まっていたことを考えると、順番的に見て岩田望騎手の元に手綱が回ってきて不思議ではなかったと言える。
「岩田望騎手といえばデビュー時から栗東の名門・藤原英昭厩舎に所属していましたが、先月4日付でフリーに。小さくはないバックアップを師匠から受けていただけに、果たして独立して大丈夫なのだろうかと心配する声も一部では聞かれました。
しかし、フタを開けてみれば、その後の1ヶ月半で12勝を挙げるなど相変わらず好調をキープ。フリーとなって以降、藤原厩舎からの騎乗依頼は一回もないものの、その影響を感じさせずキャリアハイのペースで勝ち星を積み重ねています」(競馬誌ライター)
そんな岩田望騎手が初コンビを組むジオグリフといえば、言わずと知れた昨年の皐月賞馬だ。その際に1馬身差をつけて下した相手が、今年の宝塚記念で圧倒的な1番人気が予想されるイクイノックスである。
通算成績7戦5勝2着2回のイクイノックスに勝利した経験のある馬は、ジオグリフとドウデュースの2頭しかいない。ドウデュースが昨年の日本ダービー(G1)でイクイノックスとクビ差だったことを考えると、本馬が最も着差をつけてこの怪物を退けた馬である。
にもかかわらずジオグリフは、単勝の前売りが土曜昼の時点で17頭立ての11番人気という低評価。これは皐月賞(G1)を制した後、3着以内が一度もないなど、成績がもうひとつ冴えないことも理由の1つとして考えられるか。
ただ同馬は、これまでのキャリアでコーナー4つ・右回り・芝のレースであれば国内で2戦無敗。同条件で開催される宝塚記念は、まさにドンピシャの舞台と思われるだけに、警戒しておきたい馬の1頭であることは間違いない。
「ハードスケジュール」克服でタイトル初奪取へ
「岩田望騎手は今週末、阪神競馬場で土日に行われる24レースに全て騎乗します。そのハードスケジュールぶりにSNSやネットの掲示板などでは『宝塚の前までにバテたりしないだろうか』などといった心配する声も……。
初夏の汗ばむ時期だけに体調を心配する声が出るのも当然頷けますが、同騎手は先月23歳になったばかり。十分こなしてくれるでしょう」(同)
また、これだけ乗り馬が集まるのは、やはり同騎手の腕が関係者たちの間で買われている証拠でもある。その期待に応えようと、本人もやる気に満ち溢れているに違いない。
同期では飲み仲間でもあるという団野大成騎手が、今年3月の高松宮記念(G1)を制してG1ジョッキーとなった。まだビッグタイトルに手の届いていない岩田望騎手だが、果たしてハードスケジュールをこなしてG1初奪取となるだろうか。