武豊ドウデュースが「最後の希望」に…イクイノックス、ジャスティンパレスら4歳牡馬で分かれた明暗
先週末をもってJRA上半期の競馬が終了。総決算の宝塚記念(G1)はイクイノックス、4月に開催された天皇賞・春(G1)はジャスティンパレスの4歳馬2頭がそれぞれ制した。
2頭はともに昨年クラシックを勝てなかったが、イクイノックスはその鬱憤を晴らすように昨秋から今春にかけて国内外でG1・4連勝を達成。ジャスティンパレスも古馬になると一段と逞しさを増してビッグタイトルを射止めている。
前者は今秋、ジャパンC(G1)が最大目標になるとのこと。後者も宝塚記念で3着に食い下がっており、今後も古馬王道路線で主役の1頭となることは間違いない。
その一方、宝塚記念で上記2頭に全く歯が立たなかったのが、同年代のクラシックホースとなるジオグリフとアスクビクターモアだ。
ジオグリフはデビューから2連勝で札幌2歳S(G3)を制覇。その後の2戦は敗れたが、福永祐一元騎手(現調教師)との新コンビで臨んだ皐月賞(G1)でイクイノックスに1馬身差をつけて優勝。父が新種牡馬のドレフォンだったこともあり、底知れない未知の可能性を秘めた存在でもあった。
また、アスクビクターモアも昨年の菊花賞(G1)でジャスティンパレスを下してタイトルを獲得。その後は有馬記念(G1)を回避して休養に充てたことで、今年さらなる飛躍が期待されていた。
だが、両馬はクラシックホースに輝いた後、全敗を喫している。3着以内すら一度もナシといった有様である。
そして宝塚記念でもジオグリフ9着、アスクビクターモアは11着と敗れ、昨年のクラシックで下した2頭とは完全に立場が逆転することとなった。
「ジオグリフに騎乗していた岩田望来騎手は宝塚記念の後『ミスステップのような形になり、久々の芝で立ち遅れてしまった』、アスクビクターモアの横山武史騎手は『結果的にハイペースになったのでもう少し控えてもよかったけど、判断が難しかった』などと、それぞれ敗戦の弁を述べています」(競馬誌ライター)
2頭が精細を欠き続けていることもあり、一部ファンからは「昨年の牡馬クラシック勝ち馬が弱すぎる」などといった、クラシックの存在意義を問うような不満も寄せられているようである。
ドウデュースが「最後の希望」に…
そうなると、クラシックホースの権威を保つ“最後の希望”は、やはり武豊騎手とのコンビで日本ダービー(G1)を制したドウデュースになってくるか。
今年3月のドバイターフ(G1)を取り消しとなって以降、休養に入っている同馬だが、ジャスティンパレスには一度も負けておらず、イクイノックスとも1勝1敗の五分。実際に宝塚記念が終わった後、SNSなどには「ドウデュースVSイクイノックスが見たかった」などのコメントが寄せられており、出走していなかったにもかかわらず「ドウデュース」がトレンド入りしたほど、ファンの期待値は高い。
果たしてドウデュースは今秋、イクイノックスやジャスティンパレスを相手に2022年クラシックホースの威厳を見せられるだろうか。もちろんジオグリフ、アスクビクターモアの再逆転にも期待したいところである。