「3.8億円」超高額キタサンブラック産駒にG1馬の半弟もゲット…セレクトセールで話題を集めた「謎」の購買者とは

 10日から2日間にわたって開催された「セレクトセール2023」。総落札額は過去最高となる281億4500万円を記録しており、過去一番の盛り上がりだったといっても過言ではないだろう。

 トップ購買者となったのは、『ウマ娘』でおなじみの藤田晋氏。G1馬ピクシーナイトの半弟や、コントレイル産駒でダノンザタイガーの半妹など16頭を合計23億6900万円で購入。ただ藤田氏は「セレクトセールは3年目で慣れてきたので、今年は計画も立てやすかったです」などと話しており、あくまでも想定内の出費だったようだ。

 また2位は、3億1000万円のインクルードベティの2022(牡)など計13頭を21億5300万円で購入したダノックス。3位は総額15億8900万円で12頭を購入した金子真人オーナーで、リスグラシューの半弟となるリリサイドの2022(父ドゥラメンテ)を1億6000万円で落札したことでも注目を集めた。

 もはや同セールでおなじみのビッグネームが上位を占めた一方で、聞き慣れない購買者が高額馬を落札していたことも一部ファンの間では話題となっていた。今回はその購買者の一部を取り上げてみたい。

セレクトセールで話題を集めた「謎」の購買者とは


「インターホース」

 2日目の当歳セッションにおいてトップバッターとして登場したキタサンブラック産駒のファディラーの2023(牡)を、争奪戦の末に3億8000万円という超高価格で落札したことで話題となった。インターホースは1歳セッションにおいても、コマンドラインの半妹となるコンドコマンドの2022(父ドゥラメンテ)を1億2000万円の高値で購入している。


「ロデオジャパン」

 一昨年のホープフルS(G1)勝ち馬キラーアビリティの半弟で、キタサンブラック産駒のキラーグレイシスの2023(牡)を3億2000万円で落札したことで注目を集めた。また前日の1歳セッションでも、重賞ウイナーであるシャドウディーヴァの半弟ダイヤモンドディーバの2022も1億7000万円で落札するなど、2日間で計2頭を購入している。


「KYカンパニー」

 2日間にわたって開催されたセレクトセールの大トリを務めたラルケットの2023(牡・父リオンディーズ)を、1億4500万円で落札しフィナーレを飾ったのがKYカンパニーだ。他にもマインドユアビスケッツ産駒のノーブルコロネットの2022(牡)を4300万円、父イントゥミスチーフのビューティフルギフトの2023(牡)を1億6000万円で落札している。


 これらの購買者が落札した後には、SNSやネットの掲示板などにも「一体何者なんだろう?」「有名オーナーの別名義か?」「海外の馬主さんなのかな」などといった、その正体を気にするコメントが寄せられていた。

「昨年のセレクトセールでは、フランケル×ジェットセッティングの牡馬を1億5500万円で落札した『アメリカンターフ』、ドゥラメンテ×ジェイウォークの牡馬を3億円で購入した『ツーワンレーシング』が謎の購買者として一部で話題を呼んでいました。

ちなみにその後、ジェットセッティングの仔はツーネサーン、ジェイウォークの仔はストーンズという馬名がそれぞれ与えられ、ともにラウンドワンの社長である杉野公彦氏(登録名エムズレーシング)の所有馬となっています」(競馬誌ライター)

 上記のライターが話してくれた例のように、今回インターホースやロデオジャパン、KYカンパニーが落札した馬も、来年以降はひょっとしたら別の大物オーナーの所有馬として走っている可能性もあるかもしれない。今後の動向に注目してみても面白そうだ。

GJ 編集部

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