アイビスサマーダッシュ「不滅の金字塔レコード」忘れられないあの快速馬! 時速換算75キロは日本競馬史上最速【東大式必勝馬券予想】

 今週末、夏の新潟競馬が開幕する。
 ただ新幹線で行って来いでは味気がないし、負けたらチケット代も悲惨だ。

 そこで行きは「青春18きっぷ」で向かうことにしよう。普通(快速含む)列車にしか乗れないが年齢制限はなく、1日あたりたったの2410円。上野を早朝5:13に乗れば、高崎、水上、長岡での接続が絶好で新潟着は11:29。午後のレースに十分間に合う。

 帰りは勝ち金に応じて、新潟駅前で旬のノドグロや岩牡蠣に舌鼓を打つも良し、月岡温泉で芸妓遊びをするも良し。万が一負けても青春18きっぷがあれば同じ券で越後湯沢までは普通列車で帰れる。駅前の江神温泉(400円)で旅の疲れを癒し、最終の新幹線で大人しく帰ろう。

 そんな新潟で30日(日)に行われる名物レースが「アイビスサマーダッシュ」。

 2001年のコース改修で生まれた芝・直線1000m。大抵フルゲートとなるのだが、コーナーを回らないから荒れた内ラチ沿いを嫌い、芝がきれいな外ラチ側を目指して18頭が吹っ飛んで来るのは、他場では絶対味わえないド迫力。指定券を持っていても、このレースだけはスタンド最前列で観戦したい。

 今年が第23回と歴史が浅いが、思い出の馬を一頭あげるとすれば、第2回優勝のカルストンライトオだ。

 馬主さんは「ライトオー」と名付けたかったそうだが馬名9文字制限で泣く泣くライトオに。マチカネタンホイザっぽい逸話だが、馬名は半端でもレースぶりはハンパなかった!

 3歳時(現表記、以下同)第1回アイビスSDに1番人気で挑むも3着に惜敗したライトオはリベンジとばかりに4歳夏もこのレースに駒を進めてきた。前年はやや内枠の5番だが、今度は絶好の8枠12番、鞍上はダービージョッキー大西直宏。天気も快晴、良馬場。

 ゲートが開くや否やライトオは外ラチぴったりを爆走し12.0、9.8、10.2と快速ラップを刻む。3~4ハロンは驚異の9秒6。時速換算75キロは日本競馬史上最速で、今も破られていない。競馬界の“カール君”(カル君か、笑)は最終ハロンも12秒1にまとめ2着ブレイクタイムに2馬身の差をつけ悠々ゴール。勝ち時計53秒7は日本レコード。こちらも現在、不滅の金字塔となっている。

 ライトオはこの後も元気に走り続け6歳でアイビスSDを2度目の勝利、続くスプリンターズSも制し見事G1馬の冠も戴く。7歳で連覇を目指したスプリンターズSで10着に敗れ、36戦9勝、獲得賞金約4億2000万円で特別快速の競走生活を終えた。

 ここらで「東大馬券王の大よそー」に移ろう…といきたいが、申し訳ない! このレースだけは枠順が出ないと無理だ。

 馬のスピードや実力を通り越して「絶対的に外枠有利」。前述のカルストライトオだって3歳時の3着(1番人気)は5番、同じく1番人気で4着の7歳時は最内1番枠だったのだ!

 冗談抜きに馬柱(成績表)なんか見ずに枠連で8&7枠から5~8枠へ流した方が近道。(2枠は10年で3連対、1枠は皆無!)ちなみに去年は8-8で2170円、一昨年は6-7で540円、3年前は5-7で560円である。

 と言うと身も蓋もないので……、外枠有利に次ぐ法則「千直コース得意馬」「夏は牝馬!」に従い、格下だがファイアダンサーを連軸に推す。

 前走の千直・韋駄天Sは絶対不利の1枠1番ながら2着好走の5歳牝馬。このレース、底力も重要なのかダート馬の活躍が目立ち、ファイアDはダートの新馬を2着、続く未勝利もダートで勝ち上がっているのも心強い。

 1着欄には前走成績にとらわれず、外枠の実力馬を。千直&ダート実績もあるスワ―ヴシャルル、メディーヴァル、シンシティらが頭候補。3着欄にはとにかく外枠馬を。3連単もゲットできれば美味しい新潟のノドグロが口を開けて待っている!

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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