【アイビスサマーダッシュ(G3)予想】ジャングロとトキメキは余裕の切り! 一発ある「内枠」から穴馬をピックアップ
今回は夏の新潟開催の風物詩「千直」重賞、アイビスサマーダッシュ(G3)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
韋駄天S(OP) 11頭
CBC賞 5頭
函館スプリントS 4頭
葵S、バーデンバーデンC(OP)、さくらんぼ特別(2勝クラス) 各2頭
条件特別(3勝クラス) 3頭
条件特別(2勝クラス) 1頭
となっている。同じ千直で開催される韋駄天Sからの臨戦が最多。次いで直近で開催されているスプリント重賞CBC賞(G3)と函館スプリントS(G3)となっており、これで全体の2/3を占める。別定戦ではあるが、思ったより条件戦からの臨戦でも通用している。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 7-2-0-1
2番人気 1-4-0-5
3番人気 0-2-2-6
4~6番人気 0-1-3-26
7~9番人気 2-1-3-24
10番人気以下 0-0-2-68
となっている。1番人気はほぼ鉄板。飛んだのは昨年のヴェントヴォーチェ(9着)だけ。近5年で2番人気も4頭来ているので、雰囲気で人気している馬でなければ上位人気は傾向として信用しても良さそうだ。ただ、近5年で7番人気以下が6頭来ており、上位人気2頭+人気薄という決着傾向となっている。
ということで「◎」は人気サイドだが16番ファイアダンサーとする。
前走は韋駄天S。最内枠を引いてスタートするも出遅れて後方からの競馬。勝負どころで仕掛けると、上がり最速の33.5秒の脚で捲って勝ち馬に半馬身差まで迫る2着を確保した。
5歳牝馬ですでに24戦を消化しているが、芝・ダート合わせて1400m戦を2回使った以外はすべて1200m以下という筋金入りのスプリンター。千直も前走含めて過去3走していて、すべて掲示板確保、しかも前走と2走前は内枠から走っているので相性はかなりいいのだろう。前走以外は馬場が悪い状態で走っていたので、良馬場であれば前走くらいのパフォーマンスは出せるはずだ。
今回は外枠を引いたのは好材料だが、一方、前走オープンで2着に入ってはいるものの、実はまだ3勝クラスを脱出していない条件馬。加えて、前走から斤量がプラス4kgと懸念がある。2走前も56kgで5着になっているので、一足飛びで重賞制覇まであっても不思議はない。人気になるだろうが、近走成績や千直の成績を考えても押さえておきたい。
「○」は穴っぽいところで11番メディーヴァルを挙げる。
前走は福島テレビオープン(OP)。最内枠からスタートし、中団より前目に位置取って追走。4コーナー6番手から追い上げたものの、8着に終わっている。
この馬は3走前に韋駄天Sを使われて勝利し、3勝クラスから一足飛びでオープン入り。しかも、この韋駄天Sは3年前のデビュー戦以来の芝でのレースとなったのだが、それにもかかわらず勝ち上がった。
ダート戦でも重馬場で良績を残してはいるが、良がダメかと言えばそうでもなく好走例は良馬場の方が多い。基本はダートの短距離馬なのだろうが、千直に適性があった。
ただ、韋駄天Sは52kgで出走していたが、今回は57kg。57kg自体は過去にダートで好走例があるので問題はないと思うが、千直で果たしてどう出るかが何とも言えないところ。主戦は幸英明騎手が務めていたが、今回は幸騎手が別の馬に騎乗することもあって、自厩舎の今村聖奈騎手にお鉢が回ってきた。テン乗りになるが、韋駄天Sでの勝ちもあり、思い切った騎乗をすれば一発もあると見て押さえてみたい。
「▲」は穴人気しそうだが14番スティクスを推す。
前走は韋駄天Sで、大外枠から思い切って逃げを打ったものの、後ろから来た馬に次々と交わされてしまい、7着に沈んだ。
昨年のこのレースで5着と掲示板を確保。昨年は韋駄天SのあとCBC賞を使ってこのレースに臨んでいるが、両レースとも見せ場なしの敗戦から本番で好走してみせた。今年は韋駄天Sから直接の挑戦となるが、ある意味昨年と同じ流れなだけに期待できる。
外枠を引いたことや、斤量も他馬と異なりこちらは昨年から1kg増と大きな積み増しにならなかったのも好材料。韋駄天Sからの巻き返し例が多く、叩き2戦目で上積みも考えられるので、人気になっても押さえておきたい。
「△」は2番のロードベイリーフと7番のチェアリングソングの穴馬2頭とする。
ロードベイリーフの前走は福島テレビオープンで、こちらも内枠からスタートして中団より後ろから追走、直線で追い上げてきたものの掲示板まで届かずの6着だった。
昨年のこのレースの3着馬で、この馬は千直と相性がいいのだろう。今回は昨年より1kg増だが、上記の▲スティクス同様大幅増にはならなかったのが好材料。基本的にこのレースは外枠が圧倒的に有利で、今回の予想も念頭に置いて進めているが、内枠の馬が馬場の悪い内側を敢えて通って馬券圏内に好走する例もある。
幸い1枠を引いたので、上手く立ち回れば他馬に邪魔されることなく、自分のペースで走ることも可能だ。そこを見越して押さえてみたい。
チェアリングソングの前走も福島テレビオープンで、こちらは出遅れもあってほぼ最後方からの競馬。直線で上がり2位の脚で追い込んで来たが、位置取りが後ろ過ぎて届かず11着に敗れている。
この馬も昨年3月に3勝クラスを脱出した後、昨年の福島テレビオープンで3着があるだけで、もう1年4カ月勝ち星から遠ざかっている。千直は2走前の韋駄天Sで初めて経験し、この時は外枠ながら12着に大敗している。
今のところ浮上する気配もなく、千直での実績もない馬をピックアップする理由は、鞍上の藤田菜七子騎手にある。よく知られたことではあると思うが、藤田騎手は全騎手の中でも千直を得意とする1人である。
枠が中途半端に内側なのが引っかかるし、いかんせん近走成績があまりにも良くないので、およそ買い目のない馬ではある。だが、鞍上が千直のスペシャリストであれば、話は若干変わってくる。斤量も前走から据え置き、2走前の韋駄天Sからは2kg増にとどまっているので、上手く乗ってくれれば一発を期待できよう。期待値込みではあるが押さえてみたい。
人気どころでは6番ジャングロと10番トキメキを切り。
ジャングロはNHKマイルC(G1)からの休養明け初戦ということで、ローテーションに前例がない以上どこまでという懸念がある。
トキメキはジャングロに比べると前走・韋駄天Sで3着と好走しており、近走成績も悪くないが、5枠という外とも内ともつかない微妙な枠に収まってしまった。データ的にも5枠の好走例は少なく、上手く立ち回れるかという懸念がある。
ということで、今回は2番、7番、11番、14番、16番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。現時点ではジャングロに人気が集中している感があるので、これが飛ぶと結構な高配当も期待できるのではないか。