夏の札幌で23年ぶり“伝説の新馬戦”が誕生!? 前回は「ダービー馬×2歳王者×悲運の最強馬」が激突!

 中央競馬は今週から新潟と札幌の変則2場開催となる。30日の札幌5R・2歳新馬(芝1800m)には、将来の活躍が期待される注目馬が勢ぞろいした。

 武豊騎手とのコンビで出走を予定しているのは、5月の千葉サラブレッドセールにて税込み1億円超の高額で取り引きされたドウアドバンテージ(牡2歳、栗東・四位洋文厩舎)だ。

 その馬名は昨年の日本ダービー(G1)を制したドウデュースを想起させるが、それもそのはず2頭は、馬主(キーファーズ)、父(ハーツクライ)、そして誕生日(5月7日生)が同じだという。ドウデュースとは血縁関係こそないが、陣営は来年のクラシックでの活躍を見据えているに違いない。

 マイルG1・3勝のソングラインを姉に持つソニックライン(牡2歳、美浦・木村哲也厩舎)も有力視される1頭。父がキズナからリアルインパクトに替わり、血統的にはより短距離志向にも見受けられるが、あえて1800m戦でデビューする。乗り込み量は豊富で、3年連続の札幌リーディングを狙う横山武史騎手を背に初陣Vを狙う。

 この他には、牝馬とは思えない迫力ある馬体を持つドゥラメンテ産駒のカンバーランド(牝2歳、栗東・高橋義忠厩舎)と、C.ルメール騎手が手綱を取るサンダースノー産駒ウェイトゥゴー(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)の牝馬2頭も調教でいい動きを見せており、初戦から上位争いに加わってきそう。

 さらに、父モーリス×母アドマイヤリードの良血馬キャプテンシー(牡2歳、栗東・松永幹夫厩舎)、伯母に12年フローラS(G2)を勝ったミッドサマーフェアがいるスワーヴリチャード産駒のパワーホール(牡2歳、栗東・昆貢厩舎)、父ルーラーシップ×母父ステイゴールドの血統がいかにも札幌で走りそうなクリフハンガー(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)など、とにかく多士済々。

 新馬戦で激突するにはもったいない好素材の持ち主ばかりで、後の活躍いかんでは、このレースが“伝説の新馬戦”と呼ばれる可能性も十分あるだろう。

 そこで紹介したいのが、後の重賞ウイナーが3頭出走していた2000年9月2日の一戦だ。今回と同じ札幌・芝1800mで8頭によって争われた。

「ダービー馬×2歳王者×悲運の最強馬」が激突!

 レースを制したのは、5番人気と低評価だったジャングルポケット。2戦目の札幌3歳S(G3)を再び5番人気で制しただけでなく、翌年にはダービーを制して世代の頂点に立ち、秋にはジャパンC(G1)で世界の強豪馬をも撃破した。

 そんなジャングルポケットと“伝説の新馬戦”でクビ差の接戦を演じたのがサンデーサイレンス産駒のタガノテイオーだった。1番人気に推された初戦は惜しくも2着に敗れたが、秋に東京スポーツ杯3歳S(G3)を勝利すると、続く朝日杯3歳S(G1)で僅差の2着に好走。しかし、最後の直線で故障を発症し、入線後に無念の予後不良となってしまった。

 全5戦で手綱を取った藤田伸二騎手(当時)は「俺が乗った中では今でも最強馬だと思っている」と評価。無事ならジャングルポケットらと翌年のクラシックでも好勝負を繰り広げていたに違いない。

 その朝日杯でタガノテイオーを破ったメジロベイリーもまた、伝説の新馬戦に名を連ねていた。初戦は武幸四郎騎手(現調教師)を背に5着に敗れたが、4戦目で勝ち上がると、5戦目で2歳王者に上り詰めた。メジロ牧場が生産した数少ないサンデーサイレンス産駒だったが、こちらはクラシックを前に故障に見舞われ、長期休養後は2戦しただけで引退している。

 ちなみに23年前の“伝説の新馬戦”は、出走した8頭全てが中央で勝利を収めたことでも知られている。3着だったダイイチダンヒルは若葉S(OP)を勝利し、ダービーにも駒を進め、7着だったロードアンビションは中央で3勝を挙げた。

 好素材が集結した30日の新馬戦は伝説と呼ばれる一戦となるのか。まずは、どの馬が勝ち上がるのかに注目が集まる。

GJ 編集部

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