武豊騎手がキタサンブラックで挑む宝塚記念(G1)の”予行演習”で重賞ゲット! 「神騎乗」と絶賛の池江調教師はサトノダイヤモンドを回避させて一安心?
結局、大きく加速したのはムチが入った最後の400mを切ってから。ここで後続に決定的なアドバンテージを築いたステイインシアトルは、最後は急坂に苦しんでペースを落としたものの、しっかりと先頭を守り切ってゴールした。
「上手くいきましたね。馬もレースを覚えてきているので非常に乗りやすかった」
今回の、まるで「逃げ馬の模範レース」のような快勝劇は、レース後の勝利騎手インタビューで武豊騎手が発した第一声にすべてが集約されているのではないか。「馬もレースを覚えてきている」という内容だが、そのレースを教えたのは紛れもなく10戦中7戦で手綱を握る主戦の武豊騎手に他ならない。
象徴的だったのが、ステイインシアトルに武豊騎手が騎乗し今回と同じ2000mを走った3走前のジェンティルドンナメモリアル(1600万下)だ。下記は、今回の鳴尾記念との比較である。
ラップの推移は若干異なるが、それでも1000m通過がわずかコンマ2秒差で、勝ちタイムは奇しくも今回と同タイム。つまり、このレースは今回の鳴尾記念(今後の2000m級のレース)に向けた、非常に内容の濃い”予行演習”となっていた可能性が高い。
逃げた今回とは異なり2番手からの競馬となっていたが、武豊騎手の「逃げるというより、自分のペースで走れると強い」という言葉からも、ステイインシアトルは2番手からでも大きな影響がないことがうかがえる。