C.ルメール「1番人気7連敗」で首位陥落の急ブレーキ!ライバル川田将雅に逆転許す…今年突然現れた「弱点」を露呈?
今年好調の続いていたC.ルメール騎手が急ブレーキだ。
先週末の開催が始まる前まで90勝を挙げていた名手は、87勝で2位の川田将雅騎手に3勝差をつけてリーディング単独トップ。これまで何度もリーディングを獲得した得意の札幌で首位固めといきたいところだった。
しかし、先週末の開催では土日合わせて10鞍に騎乗しながら未勝利。うち7鞍は1番人気に騎乗しての連敗だから深刻だ。7月30日に札幌4Rの未勝利戦を勝ったのを最後に、これで14連敗。ルメール騎手にとっても大誤算となったのではないだろうか。
普段は絶妙なポジション取りに定評のある名手だが、先週末の札幌は前に行って後ろから差され、後ろから行って前に残られるチグハグな競馬も目立った。計10鞍で1番人気7頭、2番人気2頭に3番人気1頭という騎乗馬のラインアップを考えると、さすがに負け過ぎの印象が拭えない。
日曜札幌のエルムS(G3)では、コントレイル世代の重賞4勝馬オーソリティが、約1年1ヶ月ぶりの復帰戦に初めてダートのレースに出走したものの、見せ場すら作れない12着に惨敗。ルメール騎手も「直線は前が空いてからも全然反応してくれませんでした」と振り返ったが、自身の成績も他人事といえない不振だったといえる。
今年突然現れた「弱点」を露呈?
その一方で、少し気になったのはルメール騎手の“重適性”である。
実は今年のルメール騎手だが、良稍重の条件で勝率28.0%、連対率44.3%、複勝率55.7%と抜群の好成績を残しているものの、重不良の条件になった途端に勝率2.0%、連対率21.6%、複勝率33.3%と、まるで別人になったかのような急降下を見せているのだ。
そして雨の降った週末の札幌は、芝ダートともに渋ったコンディションで開催され、両日通じて一度も良に回復することがなかった。もしかしたらルメール騎手の“からっぺた”も少なからず影響していたのかもしれない。
「私も特に気にしていなかったのですが、こうして数字を見てみるとルメール騎手の“重苦手説”に説得力も出てきます。ただ全体を通してみれば2015年にJRA所属となって、重不良でここまで成績が落ち込んだのは初のケースですから、今年に限って偶然が続いただけかもしれません」(競馬記者)
とはいえ、この成績は8月に入ってのもので今年も残り4ヶ月半くらい。そろそろ偶然の一致とは言い切れない弱点になりつつある。
今週末、暑さが苦手なルメール騎手は「酷暑」の続く新潟で騎乗を予定。涼しい札幌を拠点にしている名手が、あえて遠征するからには期待馬が揃っているということだろう。
対する川田騎手は先週、ルメール騎手の不振をよそに土日の新潟で6勝の固め打ち。ライバルに3勝差をつけて逆転に成功した。リーディング争いにおける両者のデッドヒートはまだまだ続きそうな雰囲気だ。