川田将雅が絶賛した「大器」がついに復帰戦! 『ウマ娘』藤田晋オーナーも期待を寄せる超高額馬、目指すは「一族の悲願」か
夏の小倉競馬がいよいよ開幕する。13日、芝1800mの博多S(3勝クラス)で約10ヶ月ぶりの復帰戦を予定しているのが、チャンスザローゼス(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
同馬は『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でおなじみの藤田晋オーナーが、一昨年のセレクトセールで2億2000万円(税込)の超高価格で購入。近親にはG1馬のローズキングダムやスタニングローズなどがおり、ファンの間では「バラ一族」としても親しまれる血統馬である。
デビュー戦は惜しくもカルロヴェローチェの2着に敗れたが、後にG1ホースとなるドゥラエレーデやデルマソトガケには先着。実力を考えれば、2戦目の未勝利戦で3馬身半差の大楽勝を決めたのも当然だろう。
その名を全国に轟かせたのが、3戦目のアイビーS(L)だ。
主戦の川田将雅騎手と臨んだチャンスザローゼスは、スタートしてハナへ。後にきさらぎ賞(G3)で2着に入るオープンファイアなどを相手に、最後まで影をも踏ませぬ圧勝劇。川田騎手もレース後「素質が高いのは間違いない」と絶賛するなど、一気にクラシックの有力候補に躍り出た。
だが、その後は順調さを欠いて長期休養に入らざるを得なかった結果、今春は一戦もすることが叶わずに終わってしまった。
アイビーSといえば、近年ではG1馬のドウデュースやクロノジェネシス、ソウルスターリングなどが制している超出世レース。ここを楽勝したチャンスザローゼスも、順調なら春のクラシック戦線で好勝負ができたかもしれない。
今回は2歳10月以来、久々のレースとなるが、『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは素質を買われて1番人気に推されている。クラシック級の期待を寄せられていた大器だけに、休み明けとはいえここは負けられない一戦となるだろう。
なお結果にかかわらず、チャンスザローゼスがここをステップに今秋、どの路線へ向かうことになるのかは気になるところだ。
アイビーSはやや持っていかれるようにハナに立ったこともあり、レース後の川田騎手は「コントロールが難しい馬」とも話していたため、気性面を考慮するのであれば、距離延長には不安がある。
ただ、ネットの掲示板やSNSなどには「菊花賞(G1)に進んでくれないだろうか」「ぜひ一族の悲願を達成してほしい」などといった声も寄せられている。
本馬は先述した通り、バラ一族の血統。ローズキングダムやスタニングローズがG1を勝っているものの、これまでクラシックは未勝利。同タイトルの制覇は一族の悲願ともいわれているだけに、ラスト一冠への参戦を臨むファンも中にはいるようだ。
アイビーSを勝った際は藤田オーナーも『買うときから期待が高かった。バラ一族ですからね』と話すなど、この血統にはこだわりを持っている様子。クラシック挑戦は未経験だけに、菊花賞を目指す可能性も残されているかもしれない。
本馬が出走すれば三冠最終戦が大いに盛り上がることは間違いない。まずは復帰戦でどのような走りを見せてくれるか楽しみにしたい。