C.ルメール「熱中症多発」新潟でまさかの不戦敗…エターナルタイム、もう1頭の期待馬まで関屋記念を回避、「空回り」でもお目当てに変わりなし?
13日に新潟競馬場で行われる関屋記念(G3)。レースの前後で熱中症の症状を疑われる馬が出るなど、今夏の新潟開催は人馬ともに暑熱対策に注意を払わなければならない環境といえるだろう。
また、新潟県ではないものの、昨年の菊花賞馬アスクビクターモアが、宮城県にある放牧先の山元トレセンで熱中症による多臓器不全を発症したため、死亡したという残念な知らせもあった。東北地方でも福島県南相馬市の伝統行事である「相馬野馬追」においても参加した馬が「日射病」で2頭死亡していたことも分かった。
比較的涼しいとされる地域でも猛暑の影響が出ている。今週末からスタートする小倉開催はさらに暑さが厳しいだけに、何とか無事に開催を終えて欲しいものである。
そんなタイミングながらも、「暑さが苦手」なことで有名なC.ルメール騎手が、あえて酷暑の新潟に参戦してきたことは少々驚きだ。
「熱中症多発」新潟でまさかの不戦敗…
関屋記念で騎乗を予定していたエターナルタイム(牝4、美浦・中川公成厩舎)は、母のマジックタイムにも乗っていたルメール騎手にとっても期待の1頭。重賞でもやれると高く評価していたものの、最終追い切りの併せ馬で遅れてしまい、指揮官のトーンも上がらなかった結果、体調面が整わないとして回避せざるを得なかった。
本馬の回避で繰り上がり出走が可能となったプレサージュリフトも前走の東京新聞杯(G3)でルメール騎手が手綱を取った馬だが、よりによってこちらも微熱があるということで出走を見送り。拠点としている札幌から新潟まで乗りに来た割には、拍子抜けする結末となってしまった。
戦う前から重賞不戦敗で見学する羽目になったルメール騎手としても、想定外の大誤算に違いない。
「空回り」でもお目当てに変わりなし?
とはいえ、土日で計14鞍の騎乗依頼を受けたラインアップは、なかなかの顔触れが揃った。先週末の不振でライバルの川田将雅騎手にリーディングトップの座を奪われたが、3勝差なら逆転可能な数字だ。直線の長い東京コースを得意とするルメール騎手は、当然ながら直線の長さが売りの新潟コースも得意。うまくいけば固め打ちを期待できるだろう。
小倉で騎乗する川田騎手が、土日で計4レースもある2歳新馬戦に一度も騎乗しないのに対し、ルメール騎手は新潟で3レースある2歳新馬戦に皆勤。特に土曜新潟のメイクデビューに出走する5Rガルサブランカ、6Rサンディブロンドは勝ち負けを期待できそうな良血馬だ。
前者は現役最強馬イクイノックスの半妹にあたる。本馬を管理する木村哲也調教師との蜜月関係を思えば、兄と同じく新潟でデビューするこの馬が、密かにお目当てだった可能性もあるのではないか。