岩田望来、1番人気「ドン詰まり」に大ブーイング…素質馬の2戦連続取りこぼしに「レースを組み立てることができませんでした」
13日、小倉1Rの2歳未勝利(芝1800m)は、好位から抜け出した3番人気ホウオウプロサンゲが勝利。初戦は1番人気4着に敗れたが、中1週で見事な変わり身を見せた。
同馬は一昨年のセレクトセールにおいて、税込4億5100万円の超高価格で落札されたことでも話題を集めたキズナ産駒。半兄に皐月賞(G1)2着など、2019年の牡馬クラシック三冠で活躍したヴェロックスがいる血統馬でもある。
騎乗した坂井瑠星騎手はレース後、「まずは無事に勝ち切ってくれたことが良かったです」と初白星に胸をなでおろした様子。管理するのは無敗の三冠馬コントレイルを送り出した矢作芳人厩舎でもあるだけに、これから来春にかけて楽しみな1頭になりそうだ。
その一方で、1番人気に推されたペンナヴェローチェ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)と岩田望来騎手のコンビは、最後の直線で進路を失ってしまい3着に敗れた。
勝ち馬と同じキズナ産駒のペンナヴェローチェは前走、中京・芝2000mの新馬戦で僅差の2着。最後の直線でしぶとく脚を伸ばしたが、勝ち馬のマテンロウゴールドとは仕掛けのタイミングで差が出た格好である。
手綱を取っていた岩田望騎手もレース後、「スッと動けるポジションにいることができなかった」「ポジション取りが勝負を分けました」と、道中の位置取りが勝敗を分けた旨のコメントを残した。それでも能力があることは分かっただけに、今回はスムーズな競馬で初勝利が期待されていた。
最内1番枠からスタートしたペンナヴェローチェと岩田望騎手は、前から3番手のインコースを追走。1000m通過が62秒0のスローペースだっただけに、位置取りは悪くなかっただろう。ただ勝負どころの3~4コーナーでも最内のやや窮屈なポジションにいただけに、この時点でいやな予感がしたファンも中にはいたかもしれない。
最後の直線に入ると前2頭の間を割ろうとしたようだが、あけてもらえず完全に“ドン詰まり”の状態に……。約5頭ぶん外に持ち出して盛り返したが、小倉・芝コースの最後の直線は約290mしかない。さすがにロスが大きすぎたようで、ゴール前の脚色は良かったものの3着に上がるのが精一杯だった。
「各馬が最もスピードに乗り始めるところで、ペンナヴェローチェは思いっきり前が壁になってしまいましたね。外に切り替えてからは良い脚を見せてくれましたが、さすがに時すでに遅しでした。初戦に続いて今回も悔いが残るレースになってしまったと思います」(競馬誌ライター)
1番人気「ドン詰まり」に大ブーイング…
2戦連続でスムーズさを欠いた上、今回は1番人気を裏切る結果にもなってしまった。レース後のSNSやネット掲示板などには騎乗した岩田望騎手に対し「ひどい詰まり方だ」「2走連続で勝てたレースを落としたな」「もう乗り替わってくれ」「ペンナヴェローチェが可哀想」など、厳しい声が寄せられたのも無理はないか。
また岩田望騎手もレース後、「上手くレースを組み立てることができませんでした」と、またしてもパートナーの能力を発揮できなかった旨のコメントを残している。
結果的に今回は最内枠だったことが仇となってしまったか。コンビを継続するにせよしないにせよ、ペンナヴェローチェには次こそ完全燃焼のレースを期待したい。