関屋記念(G3)一変が期待された新潟無敗のコース巧者、レース前まさかの「アクシデント」で万事休す…名門クラブの牝馬2頭に分かれた明暗

 13日に新潟競馬場で行われた関屋記念(G3)は、4番人気のアヴェラーレが優勝。母に重賞2勝のアルビアーノを持つ血統馬が、5歳夏にして初の重賞タイトルを手にした。

 このレース3勝目となった鞍上の戸崎圭太騎手はレース後、「調子の良さを感じました。重賞を勝ったことで、もっと上を目指してほしいです」と、充実一途であるアヴェラーレにさらなる活躍を期待するコメントを残した。

 同馬を管理する木村哲也調教師も「距離は1600mが一番合っていると思う」「まずはしっかりと放牧に出します」と今後の展望を述べた。具体的な次走は明言されなかったが、秋はマイルの大舞台で面白い1頭になりそうだ。

 一方で、5番人気に推されていたアナザーリリック(牝5歳、美浦・林徹厩舎)と津村明秀騎手のコンビは、ほとんど見せ場を作ることなく14着に惨敗した。

 昨年の福島牝馬S(G3)覇者でもある同馬は、アヴェラーレと同じシルクレーシング所属の5歳牝馬。ここ3戦は7着以下に敗れていたが、3走前はダート、近2走は小回りの中山・芝1600mが舞台だった。

 関屋記念が開催される新潟・芝外回りはここまで2戦して無敗。直線の長いコースと相性がよく、陣営も「状態はすごくいい」と太鼓判。レース当日はアヴェラーレに次ぐ支持を集めた。

レース前まさかの「アクシデント」で万事休す…

 だがスタート直前、アナザーリリックは全頭の枠入りが完了する前にゲートから飛び出るまさかのアクシデント。外枠発走となったのは、大きな誤算だった。

 案の定、仕切り直しのスタート後は行き脚が付かず、道中はシンガリを追走。最後の直線は一応、上がり3ハロン33秒3の末脚を繰り出したが、ほとんどレースに参加することができず14着の大惨敗を喫してしまった。

「今年の関屋記念は1枠2頭がワンツーフィニッシュを決めるなど、好位のインコースを立ち回った馬に有利の展開。アナザーリリックは大外17番枠のさらに外からの発走となった時点で万事休すでしたね」(競馬誌ライター)

 消化不良のレースとなってしまったアナザーリリックについて、JRAはレース後「枠内駐立不良(突進)。枠外に跳び出し、前扉が破損したため外枠から発走」と発表。同馬には発走調教再審査を課すこととなった。

「これはアナザーリリックにとっても痛いですね。というのもシルクレーシングの牝馬は規定により、6歳春で引退が既定路線となっているんですよ。

ただでさえ残り時間が少なくなっている上に、調教再審査。本馬は5歳夏にしてキャリア12戦ともともと数が使えるタイプでもないだけに、出資者にとっても頭の痛いことだと思います」(同)

 レース後の津村騎手はアナザーリリックについて「ゲートが全て。馬が煮詰まっている感じです」と無念のコメントを残した。今年の関屋記念は名門クラブの5歳牝馬2頭にとって、大きく明暗が分かれる結果となった。

GJ 編集部

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